周囲が赤黒い霧で薄く覆われる。満月も不思議と皆既月食の時みたいに真っ赤に変色していた。

この一瞬でこれだけの演出をやってのけている。それはつまり、演出に拘るだけの余裕があるという事なのだ。この吸血鬼の娘……とてつもなく強い筈!

レミリア「私のカリスマに恐れおののいているわね……。いいわよ、その怯えきった表情」

ブンブンと頭を振ると俺は我に返る。まだ始まってもいないのにここで諦めるとは何事かと自分を律する。

ええい、先手必勝! ロックオンサイトにこの吸血鬼を捉えると、青白いレーザーをお見舞いしつつ急接近する。

そしてすれ違いざまにスモールスプレッドを浴びせる。爆風がやんだことを確認すると機体をUターンさせる。

貴方「傷一つないだと!?」

レミリア「随分と荒々しい弾幕ね。あんなの喰らったらと思うとゾクゾクしちゃう……」

なんとあのミサイルとレーザーの複合攻撃を全て回避してしまったようである。彼女の口ぶりからそれを感じ取れる。

ならばもう一度……いや、何か仕掛けてくる!

レミリア「それじゃあ私もスンゴイの見せてあげる。神槍『スピア・ザ・グングニル』!」

スピア……槍か。直線的にこちらを狙い撃つ魂胆だな。
俺はバイパーの速度をあえて落とし、やり過ごすことにした。

案の定目の前に赤い光が凄まじい速度で横切っていく。マスタースパークほど極太でなくて助かった……。その槍からまるで星屑のようにばら撒かれる小さい弾にさらされることとなったが、速度を落としていたことが幸いして、精密移動で回避することが出来た。

システムボイス「You got a new weapon.」

どうやら再び武装を習得したようである。赤くて槍のような直線的で……あれ、これってもしかすると……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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