程なくして紫が再びスキマから現れた。その手に握られているのは酒瓶。

紫「こんなもの持って何をするのかですって? お酒は飲んで楽しむに決まっているじゃない?」

キョトンとする俺にさぞ当たり前のことを言い放つスキマ妖怪。いや、確かにお酒は飲むものだけれど……。

改めて周囲を見渡すと先程の決闘を観戦していた吸血鬼や慧音先生、あと魔理沙がいることも確認できた。いずれもグラスを手にしている。まるで今から飲み会でも始めるような空気だ。現に2本の角を持った小柄な娘が「あつまれー!」とか叫びながら紫色のヒョウタンを振りまわしていたりする度に、どういう原理かお酒とおつまみが集まってくるのだ。あれ、俺ってば雰囲気だけで酔っぱらっちゃったのかしら……。

紫「『始めるような空気』じゃないわ。今から宴会が始まるのよ」

宴会? いやまあいつの間にか机の上に料理とか並べられているし、確かにそんな空気だが……随分と唐突な……。あと何故宴会?

呆気に取られているうちにすっかり軽食と無数の酒瓶で辺りが埋め尽くされてしまった。

紫「ようこそ幻想郷へ。貴方を歓迎するわ! お近づきのしるしに今夜は飲み明かしましょう!」

俺を歓迎する宴会だって!? 先程までと随分待遇が違うじゃないか。これが幻想郷に受け入れられたってことなのか?

魔理沙「お前さんも幻想郷の住民だって認められたんだよ。異変の後はみんなで仲良く宴会開いて酒を飲む。そして仲良くなる。これが幻想郷の常識だぜ。お前のところの住職だってこうやって宴会を開いて貰っていたんだ。おうい、霊夢おかわりー!」

魔理沙は既に出来上がっていた。見たところ二十歳を迎えていないように見える彼女だが……

霊夢「そして魔理沙は飲み過ぎて酔い潰れるのも恒例ね。まったく、誰が介抱してるのかって……ブツブツ」

文句言いながらも新しい酒をつぐ霊夢。
どうやら幻想郷に飲酒の年齢制限はないらしい。

白蓮「ちょっと紫さん。唐突過ぎて○○さんが困惑していますよ?」

魔理沙「飲めば皆仲間さー!」

収拾がつかない。これは……もう深いことは考えずに楽しんじゃおうか。それが一番正解な気がする。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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