更に悪いことに、紫本人まで本格的に攻撃を始めたのだ。日傘をぐるぐる回転させながら、こちらに迫ってくる。

辛うじて直撃は免れたものの、左側の翼に強烈な一撃をもらう。銀の翼が……折れた。翼を損傷した為か、リデュースが解けてしまい、機体が元の大きさに戻る。

にとり「うわわ……アレは流石にマズいよ」

白蓮「ああっ! ○○さんっ!!」

遠くでかすかに彼女の声が聞こえた気がした……。今度はエンジン部分をやられたか、赤い光で彩られたコクピットから光が失せる。飛行能力を失い、黒煙を上げながらアールバイパーがゆっくりと地に落ちようとする。

いや、まだ完全に機能が死んだわけではない。
最後くらい、あがかせて貰う……。

止まっているのか、動いているのかが判別できない程に衰弱していたが、ゆっくりとあの紫に接近を試みる。

貴方「まだだ……。まだ俺は見せていない。お前に……俺の……、俺の……潔白を、意地を、生き様を!」

既に弾幕ごっこを行えるような状態ではないが、まだ落ちるわけにはいかない。

紫「死に損ないが何をほざく。大人しく地に伏していなさい」

あまりに冷徹なスキマ妖怪の一瞥。それと同時に虚空にスキマが開いた。その亜空間の穴から、「何か」が落ちてくる。

回避など出来ず、俺は鈍重な一撃を喰らった。その「何か」と重力の赴くまま、俺は地面に叩きつけられた。相当の衝撃に俺は一瞬失神する。

まだグワングワンと意識がもうろうとする中、上からこちらを嘲笑う声が聞こえる。

紫「それは私からのプレゼントよ。素敵な墓石でしょう? ちゃんと名前も彫ってあるわ」

どこまでこちらをコケにすれば……。だが、あの大妖怪の力は本物だ。こちらが苦労して編み出したスペルカードを嘲笑うかの如く攻略している。悔しいが本当に勝てない相手なのかもしれない……。

墓石のせいでキャノピーが破壊される。残骸を踏みにじるように紫が音もなく近寄ると、こちらの胸ぐらを掴み上げ、ギリギリと絞めつけ始める。

紫「決定的でしょう? 貴方の負け。勝者の言うことを1つ聞いて貰うわ。……貴方には美しさすら勿体ない。ただ残酷に往ね!」

まだだ……。ここで倒れるわけには……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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