ギリと少しずつ力が入っていく。このまま再び絞めあげるつもりなのだろう。
だが、もうそんなことさせない! くわっと目を見開き、敵をただ睨みつける。そう、俺もアールバイパーもまだ負けていない。死んでいない!
貴方「いいや、覚悟するのはお前の方だ。八雲紫!!」
先程コクピットに叩きつけられた際に手にした最後の希望、俺の3枚目のスペルカード。その名前を声高らかに宣言した。
貴方「操術『オプションシュート』!!」
大破したアールバイパーの一部がパカっと開く。その中から再びオレンジ色のオーラを纏ったネメシス人形が勢いよく飛び出した。そのまま光の軌跡を描きながら、紫に直撃する。
俺は再び紫の手から解放された。先程俺が紫の式神たちに執拗にやられてきたように、ネメシスは紫に何度も体当たりを仕掛け続けている。
複数の方向から何度も何度もである。
そして最後はそのオレンジ色のオーラを大爆発させた。
紫「イャアアアアッ!!」
爆風に呑まれ、紫がこちらに吹っ飛んでいった。慌てて俺は伏せると、俺の頭上をかすめて、アールバイパーの真上にのしかかっていた俺の名が刻まれていた墓石に直撃し、それを砕いてしまった。うわ、痛そう……。そこから更にもう少し吹っ飛んでようやく地面に落ちた。
オーラを失いフラフラになったネメシスを回収すると、翼の折れた銀翼に再び乗る。不安定ではあるものの、どうにかゆっくり浮遊する程度は可能なようだ。機体の中から尻もちをついた大妖怪に詰め寄る。
貴方「どうだ、まだ銀翼は動けるぞ。俺の勝ちだ。超技術だか、幻想郷を崩壊するだかは知らないが、お前が銀翼本体にばかり固執していたのが敗因だな。何故アール『バイパー』と呼ばれるのか、それは蛇のように本体についてくるオプションがあるからこそ……だ」
ああ、流石に無理をさせたのか、銀翼が今度こそ機能を停止してしまった。しかしもはや紫に戦意は見られない。
俺は……勝ったんだ。かの大妖怪、八雲紫に……!
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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