あの日……あの日からだった。私の愛する幻想郷におかしな異変が頻発したのは。
紅葉も落ち始める冬の初め、数多の生物が終焉を迎えたり眠りについたりする極寒の季節のその寸前、そんな季節に「奴」は現れたのだ。
表面のツルツルとした巨大な八面体。金色の石のような物体が音もなく浮遊して私の目の前、つまり幻想郷に忽然と姿を現したのだ。
はじめは沈黙だった。威圧的にゆっくりと回転しながら佇む「それ」はまるで私達を見下ろしているかのようでもあった。新しい来訪者だろうか? 何をしに来たのだろうか? 言葉をまるで発さないその黄金の石を私は調査することにした。
紫「藍、留守番を頼むわね」
私は一人飛翔し、その「石のような物体」に接近する。声をかけてもまるで反応を見せない。まるで私がこの石にじっと内面まで見透かされているような錯覚さえ覚えた。
そんな付かず離れずの攻防がいつまで続いただろうか、突然この八面体が金色に輝き始めたのだ。拡散する衝撃に私は思わず顔を覆う。それが収まって周囲を見渡して私はようやく奴の目的を理解したのだ。
奴は周囲に空飛ぶ戦艦を召喚し始め、周囲を無差別に砲撃させ始める。侵略者だ! 侵略者が幻想郷を襲い始めている!
紫「やっと目的が分かったわ。お前を受け入れるわけにはいかぬ」
引き延ばした六角形の外殻を持ち、中央に光る青色の球体を宿した戦艦。これらを無数の弾幕やスキマ送りで確実に処理していく。
周囲の敵戦艦を片付けると、私の背後から喧しい声で誰かががなり立てていることに気づく。
紫「やっぱり霊夢ね。遅かったじゃないの」
しかしこの紅白の巫女はそのまま私に敵意を向け始めた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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