結論から言うと私は失敗した。外来人を屠ろうとした正にその時、思わぬ邪魔が入ってしまったのだ。

最近になって人里のはずれに建てられた寺院「命蓮寺」。そこの住職サマが付近を調査しており、外来人を襲おうとした私を見つけてしまったのだ。

彼女はそれはそれは憤慨する。思えば当然だろう。事情を知らない人が端から見れば外来人を食い殺そうとする妖怪なのだから。相手が僧侶だというのもまずかった。

結局、私は住職「聖白蓮」と交戦。勝負自体は私が優位に運んでいたものの、外来人には逃げられてしまうし、後で聞いた話によると森の中で放棄されていた銀翼も外界の技術に貪欲な河童どもが持ち去ってしまったという。

何より機械仕掛けの蜂に身体能力を強化しまくった魔法使い。これらの難敵との連戦でさすがの私も消耗してしまっていた。

仕方がない、外来人の監視は式に任せるとしよう。逃げ込んだ場所は命蓮寺だ。それは分かり切っている。

体を休めて数日後、私はアールバイパーの方を追いかけようとしたが、どうやらこれも命蓮寺に安置されているらしい。偵察していた式達によると「河童が勝手に放棄された戦闘機を修理して乗り回していたが命蓮寺に突っ込ませてしまった」とかなんとか……。

これはいよいよ私の想定出来る限りの最悪のシナリオに向かいつつある。こうなればスキマを使ってあの外来人を暗殺するほかない。

だが、私はその計画を結局中断することにした。何故ならあの外来人が滑稽なことを言い出すのだから。

あの男、「弾幕ごっこで紫を倒して幻想郷に住む許しを得る」だなんて言い出すのだ。

藍「紫様、外の世界からやってきた極悪人を始末するって話でしたが……」
紫「予定変更よ。あいつ、この私に決闘を申し込んできたわ。大の男が、弾幕ごっこでの決闘よ? おっかしいでしょ? そこで私が完膚なきまでに叩きのめす。その方が楽しいのではなくて?」

口ではそう言ってみたが、私は別の可能性を見出しつつあった。上手く引き込めば味方になるのではないか……と。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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