人里の酒屋で上物のお酒やおつまみを物色する中、藍は今も不機嫌そうにしていた。

藍「……やはり納得がいきません。あの外来人と戦うとき、紫様は明らかに手を抜いていた。まるで最初からこうなることを望んでいたかのように。紫様が言うにはアレも侵略者の仲間なのでは?」

私も最初は半信半疑だった。だが、実際に拳……ではなくて弾幕を交えた私には分かったのだ。あの子は人ならざる力を手にしても、悪用したりするようなタマではないと。だからこそあの住職サマにも気に入られ、命蓮寺で上手くやっているのだ。

紫「味方は多い方がいいでしょ? それに未知の侵略者についての情報も沢山持っていると見たわ。あと何よりも……楽しいじゃない。外来人でしかも男の人なのに弾幕ごっこをあんな真剣に興じるのよ?」

今も表情が晴れない藍。よく出来た式ではあるけど、ちょっと堅物すぎるのよね。今までのやり方では奴らに屈してしまう。私達は奴らをよく知らないのだから。

だからあの銀翼と○○は私の、そして幻想郷の希望なのだ……。

紫「希望の銀翼……か……」

さて、いつまでもこの話をしていると藍が本格的にへそを曲げかねないので、ちょっと一計を講じますかっ。

紫「藍、ちょっとそこのお店でいい感じのおつまみを買ってきて。余ったお金で油揚げを買ってもいいわ」

大好物の名前を聞いて我が式はいそいそとお店に入っていく。橙もついていくようだ。私は私でお酒を用意しようとしたが、その前にもう一仕事残っている。

私は地面のある場所一点を睨み、凄みを利かせた。

紫「いるのでしょう? 分かっているのだから出てきなさい」

程なくして私の睨んだ場所にぽっかりと穴が開き、中から無邪気な悪意が飛び出してきた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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