今も屈託のない笑顔を今も見せている邪仙であるが、心の底が恐ろしいほど読めない。何よりも予想外だったのは彼女の後ろで厳つい表情で仁王立ちする壮年の男性がいたこと。
青娥「あらあら、思っていたよりも早く見つかってしまいましたか」
紫「誰かが後を付けてくる気配はしたけれど、これで合点がいったわ」
結界の中で戦った蜂のような兵器からは明らかに知性のようなものを感じていた。ただただ周囲のものを破壊して回るわけでなく、明確に私を敵として認識し、多くの兵力を幻想郷に送り込むために陽動までやってのけたのだ。
その時点であの八面体に司令官のような存在が現れたと踏んでいたが、まさかあの邪仙がキョンシー以外の相方を見つけるとはねぇ……。
青娥「賢者サマに出来ないのならわたくしがやって見せるまでよ? この力で幻想郷を素敵に進化させる」
紫「それは許されない。『産土神黄輝ノ塊』の力はあまりに強大で危険すぎる。いずれ貴女も力に飲み込まれるわ?」
今ここでこの二人を殺してしまうのは簡単だ。だが、それでは根本的な解決にならない。私達では「産土神黄輝ノ塊」をどうにかする手段がないのだ。
青娥「危険だと言っておきながら、わたくしたちに手出ししない上に、何やら隠し玉でも用意しているみたいですわね」
紫「……そこまで読んでいたの? ならどうして私を排除しようとしない」
さもそうするのが当然と言わんばかりに無邪気に笑いながら青娥はこう一言。
青娥「だって、あの外来人はわたくし達にとっても『希望』なのだから……」
不気味な笑い声と共に二人は再び地面に姿を消す。外界の脅威の力を用いるも幻想郷の為に戦ってくれるであろう○○が私の希望なのは分かる。だが、どうして奴にとっても希望なのか……?
元々が同じ「産土神黄輝ノ塊」から生み出された存在であることと関係が……?
とにかく○○が住職サマに懐いていて、彼女もまた○○を大切にしているのはプラスに働きそうだ。そう簡単に拉致されたりはしない。
いずれ外界の脅威にまつわる異変が頻発するだろう。青娥の手によって。その中で彼を鍛えなくてはいけない。希望が希望であり続けるために……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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