私は外の世界の軍事施設に忍び込み、目ぼしい情報を掴もうとしたのだが……。
紫「ハズレね。あの軍事大国ですらあんな技術は持ち合わせていなかった」
音もなく空飛ぶ戦艦、それらをワープアウトさせる浮遊する石……。そんな荒唐無稽な兵器を開発している国なんてどこにも存在しなかったのだ。どれ一つ単体で考えたとしても、いずれも外の世界には存在しないものであった。
紫「困ったわ……」
ひとまず能力を酷使して疲れた頭に栄養を行き渡らせるために、私は日本のとある寂れた喫茶店でお砂糖たっぷりのコーヒーをいただく。夜もふけるというのにまだ営業している喫茶店があるとは驚きである。
早速頼んでいたコーヒーが届くと、ボーっとした面持ちでカップの中に角砂糖とミルクを入れてゆっくりとスプーンでグルグルとかき回す。
たっぷりとミルクが入って白っぽくなったコーヒー。私はカップを傾けてそれを一気にあおった。ほのかな温かみと甘ったるさ、そして遅れてほろ苦さがやってきて独特のハーモニーを奏でる。
紫「はぁぁぁぁぁー……」
この私が頭をひねっている。こんな事態は初めてで、悔しさのあまり大きなため息をつきつつ私はテーブルに突っ伏した。
と、ここで私はテーブルから妙に安っぽい音楽が流れ始めているのに気が付いた。何事かと目を開くとテーブルから所々光が漏れているらしいことが分かる。
白色に赤色に紫に黄色に……。よく見ると普通のテーブルだと思っていたそれにはボタンとレバーまで取り付けてあった。これは確か……外の世界の娯楽である「ゲーム機」ではないか。驚いた、喫茶店のテーブルをゲーム機に改造してしまうとは……。
喫茶店の店主「おっ、姉ちゃん。驚いたかい? 昔は『インベーダー喫茶』なんていってそこらの喫茶店がこんな感じにゲーム機付きのテーブルを置いていたもんだ」
そういえばそんな時代もあったなと私は昔のことを思い出す。折角なのでちょっとやってみようかしら? 財布から小銭を取り出すとテーブルにコインを投入。
砲台を左右に動かして左右に蛇行しながらにじり寄ってくる敵をやっつけるゲームらしい。しかし疲れているのもあって私は全滅させる前にゲームオーバーになってしまった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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