今は明かりという明かりがなく、再び静寂に包まれた夜のゲームセンター。だが、私の視力がすぐに異変を察知していた。

紫「ゲーム機が全然置かれていない……!」

先程の喫茶店での消えたテーブルと石のような物体に吸い寄せられたインベーダー。そしてやはり戦闘機の形をしたものがここから飛び出て同じようにあの黄金の八面体に吸い込まれる……。

私はこの現象に心当たりがあった。というか自分も時々やっているではないか。アレは神隠しの類、俗にいう「幻想入り」と呼ばれる現象だ。もちろん私はあんな荒々しい方法を用いたりはしないが。

だが不可解な点も見受けられる。ゲーム機が幻想入りするのだから、ゲーム機のまま神隠しが行われるはずなのだ。だが「石のような物体」の力で幻想入りさせられるゲーム機はまるで別の姿を取っていた。

紫「なんてこと……!」

そういうことか。私がいくら外の世界の軍事施設を覗き見たところで真実に辿り着ける筈がなかったのだ。何故なら奴等は元々ゲーム世界の住民……。

恐らくはあの黄金の八面体の能力によってゲーム内の姿に変じた状態で幻想郷に送り込み、そして私の楽園を支配するための尖兵としていたのだ。

私の推測が正しいのなら、今ので結構な兵力が幻想郷に流れ込んだことになる。大事になる前に止めなくては。私はスキマに潜り込み、再び幻想郷に向かった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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