幻想郷に戻ると私の推測に反して、幻想郷に仇なす敵性勢力は残り少なくなっていた。そしてその「原因」たる姿も……。

霊夢「遅かったじゃないの紫。異界のバケモノどもはあらかた片付けちゃったわ」
紫「ちょっと外の世界で異変の調査をしてたのよ。奴の能力が分かったわ。あいつら全部片づけたら霊夢にも教えてあげる」

私も加わればあとは早い。残された戦力もあっという間に撃滅。何より奴らは全く統率がとれておらず、動きもちぐはぐだったのだ。

あの「石」を除いて片付けた私は霊夢に奴らの正体を話す。

紫「アレは外の世界の遊び道具、ビデオゲームに登場する兵器群よ。どうやらあの『石のような物体』は物質を幻想郷に転移させる能力を持っているみたい。それもゲーム機としてではなく、その中に出てきた兵器として……」

アレが知性を持って統率の取れるような動きをし始めたら面倒なことになる。ならば取るべき道は一つ。

霊夢「ぶっ壊してやりましょう!」

針とお札を手に黄金の八面体に飛び掛かるは紅白の巫女。右に左にとジグザグに飛行して翻弄させるとそのたびに武器を撃ち出していく。だが、妙にツルツルした金色の岩は砕けるどころか傷一つつかない有様であった。

霊夢「手応えあったのに……。こうなったら魔理沙も呼ぶ?」
紫「いいえ、奴をまた逃がすわけにはいかないわ。こうなったら活動を停止させる、つまり封印しましょう!」

今も不気味にゆっくりと回転する八面体に向けて、霊夢がお札を手に呪文を唱え始める。私も彼女に手を添えて同じく文言を唱え始めた。

霊夢「境界『二重弾幕結界』!」

霊夢と私で二重の結界を張り巡らせる。四角い光の結界が狭まっていき、「石のような物体」を捉えた。封印は上手く行っているようで「石のような物体」から黄金の輝きが失われ、そしてゆっくりと墜落していく。大きな地響きを立てるまでにそう時間はかからなかった。

霊夢「……終わったのね」
紫「ええ、ひとまずは……ね。だけど私はまた一仕事あるの。霊夢は封印したコイツが再び動き出さないように神社で見張ってて」

それだけ言うと私は霊夢と光を失った石を博麗神社行きのスキマに放り込んだ。さて、私も外の世界で調査を続けなくては。

あの「石のような物体」が何者なのか、完全に破壊する方法がないのか……。それを調べるために。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら