(その頃、外の世界では……)

私は「石のような物体」との戦闘から、彼らが外の世界のビデオゲームにゆかりある存在であると踏んでいた。そんな私が足を運ぶのは、軍事施設ではなく昔のゲーム雑誌が保管されている図書館である。

資料の数は多いものの、人の目を欺いて軍事機密を盗み見するよりかはずっと楽であった。

紫「ええっとビックバイパーにビッグコア、それにカバードコア……?」

描かれていたのは宇宙を背景に1機の銀の翼を持った戦闘機が自らの数倍はあるであろう体躯の戦艦を相手にしているところ。なるほど、彼らが実体化して幻想郷を襲っていたと。

だがこの書物には黄金の八面体についての記述は存在しないようだ。そうやって様々な荒唐無稽な設定の羅列された雑誌に目を通していく。そして私はとうとうそれらしき特徴を持つ八面体を見つけた。

紫「『産土ノ神黄輝ノ塊(ウブスナガミオウキノカイ)』……?」

なんということだ、この書物に書かれた記述によればあの八面体は地球の意思そのものであり、いかなる兵器をもってしても破壊することは出来ず、一組の男女を残して地球の何もかもを滅亡させ、そのまま太古の昔にタイムスリップ、つまりリセットさせてしまったというのだ。

これにはさすがの私も頭がクラクラした。破壊不可能ということは、ああやって封印することが最善策であったということ。そして、より厳重な封印を施す必要があることをも意味していた。

紫「こうしてはいられないわ! 霊夢一人じゃ荷が重すぎる。急いで幻想郷に戻らなくては」

私は霊夢のことを信頼はしているし、博麗の巫女としても非常に優秀であると胸を張って断言することだって出来る。しかし同時にまだまだ未熟な面もあり、特に己の強さに驕る悪い癖があることも知っていた。

ちゃんと見張りをしていればいいのだけれど……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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