静かにその銀翼は再び目覚める。ふわりと低空に浮かぶと、その巨体を退魔師どもにぶつけてやった。

札使いの男A「ごはぁっ!?」

止まることなく、そのまま急加速し上空を飛ぶと、無数の爆弾「スモールスプレッド」を落とし、周囲の視界を奪う。

貴方「星、こっちだ!」

その直後ツバメの如く向きを変え、青い爆風が渦巻く中、寅丸星を見つける。彼女を連れて速やかにこの罠だらけの人里を離れていく。遅れてにとりとぬえも続いた。

退魔師どもを撒いたアールバイパーは更に高度を上げていく。上空は再び不穏な暗雲が立ち込めていた……。これは来るかもしれないな……ピカっと一発。そしてその瞬間が来るということは、この1000年前の世界とのお別れも意味している。

貴方「大変なことになってしまったけれど……、いずれ聖は封印を解かれる。だからその日まで挫けちゃ駄目だ!」

いたたまれなくなり、俺は思わず未来の出来事を口にしてしまう。こちらの素性など分かっていない星にとっては何の根拠もない励ましにしか聞こえないようだ。

星「励ましてくれるんですね……。でも、こうも妖怪への風当たりが強いと……」

貴方「いずれその日は来る。来ることになっているんだ。俺はそれを知っている」

星「知っている!? 貴方は一体……?」

素性を明かそうとしたが、にとりに呼びとめられてしまう。

にとり「今だっ! 暗雲めがけてレーザーを撃ってくれ。雷を呼び寄せよう!」

星に離れるよう促すと青白いレーザーを暗雲に撃ち込む。間もなく稲光がアールバイパーを貫いた。周囲の空間が歪み始める。

貴方「俺達は1000年先の未来から来た。封印を解かれた白蓮と共に生きている。信じるか信じないかは星次第だ。宝塔、無くすなよ?」

星「え? あ……って、こんな大切なもの無くす筈ないじゃないですかっ!」

聖人は封印された。しかし残された一筋の希望は一人の妖怪と彼女が手にする宝塔に託されている。あとは星がやってくれる。そして俺は歪んだ空間の中を真っすぐに進んでいく……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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