星「何を悠長なことを……」
貴方「安心して、すぐに出来る。にとり、カメラだ。簡単なものでいい」
ボケっとしてた河童は急に呼ばれたことに驚いていたが、リュックからカメラを取り出すと、速やかに撮影した。出てくる写真を手渡す。
白蓮「絵を描くってええっ!? もう出来たのですか? それに私たちそのもののような……。一体どうやって……」
貴方「説明している時間はなさそうだ。それじゃあ封印を施すよ……」
後ろからガサガサと物音が聞こえる。どうやら帝の軍勢が接近しつつあるようだ。これは急がなくては……。「さあ」と白蓮を促すと俺は彼女の身を鎖でぐるぐる巻きにする。
貴方「きつ過ぎない? 痛くない?」
白蓮「きつくしないと意味がありませんよ? さあ、私は大丈夫ですから早く封印を……」
やはりためらってしまう。その度にぬえにどやされて俺はしかるべき処置を施した。
貴方「あとは自然に魔界へと導かれる……」
最後に飛鉢を返しこれでいよいよお終いだ。力を吸い取られているのか、弱弱しく白蓮が最後に聞く。
白蓮「これで……貴方達とはずーっとお別れですよね?」
貴方「いいや、また会えるさ。いつの日か、星が宝塔を使って君を助けに来る。もちろんムラサも一輪もいる。その中には俺だっているんだ」
星はぬえとにとりによって宝塔を手にこの場から脱出させられていた。あとは時が満ちた時にこの宝塔を用いて白蓮の封印は解かれる筈だ……。
もちろんそんな事情を知る由もない白蓮は首をかしげる。どうしてそう決めつけることが出来るのかと。
もう俺の正体を明かしても問題ないだろう。1000年の長い眠りにつくのだから。
貴方「俺は遠い未来から来たんだ。貴女はちゃんと封印から解かれて幸せに暮らしている。馴染の妖怪達と、そして俺と。だからその日が来るまで……しばしのお別れだ」
縛られた白蓮の頭を撫でる。既に彼女の意識は無かった。縛られながらも山の頂で浮いている。封印されているにもかかわらず、それは神々しかった。間もなく聖人は魔界の奥底へ沈み、完全に封印されるはずだ。だが、地中に沈むのには時間がかかるのか、まだ空中に浮かんだままだ。
貴方「この先の顛末を知っているとはいえ……、やっぱり辛いな……」
ぬえ「感傷に浸っている暇はないんじゃないの?」
しまった、封印に時間をかけ過ぎようであり、すっかり帝の軍勢に取り囲まれてしまった。
飛鉢も白蓮に返してしまったので、アールバイパーは戦えず。どうしよう……
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら