空模様の怪しいとある日……。雨こそ降ってはいないものの、ゴロゴロと遠雷が鳴り響いており、更に天気が大荒れになるであろうことが素人目にも分かる。

この日、俺は命蓮寺の倉の中で荷物の整理を手伝っていた。貴重な男手ということで力仕事は大体雲山か俺が行う。

俺には必要なものか、不要なものかなんてのは分からないのでその都度白蓮に聞いている。
今手にしているのは写真のようだ。酷く劣化していて写真の内容は良く分からないが、どうやら白蓮らしき人影と他に数人の人影が確認できる。

白蓮「それは捨てないでくださいね。ちょっとみすぼらしいですが大切なものなので」

指示通りに荷物を仕分けていく。かなり大がかりなので星やぬえ、いつの間にかアールバイパー関連のことで命蓮寺に頻繁に出入りするようになったにとりも駆り出されていた。

星「……って、ぬえはどこかに行っちゃったし」

またどこかでサボっているのだろうか? 彼女らしいといえば彼女らしいが……。

俺は写真のことが気になって白蓮に聞いてみようと口を開きかけた矢先……

ぬえ「ここまでおいでー!」

にとり「ちょっと待てー!」

舌をペロっと出して悪戯っぽく笑うぬえを追いかける顔を真っ赤にしたにとり。悪戯されたので追いかけているという構図が一瞬で頭に浮かぶ。

白蓮「ぬえっ! ちゃんとお手伝いしないと……」

住職の叱責をも振り切ってぬえは倉の外に向かい、空を飛び始めた。息を切らせた河童の少女が俺に話しかける。

にとり「私の工具に変な細工して驚かせたのは分かっているんだぞぉ!」

正体不明の種で悪戯されたのだろう。

にとり「聖、ちょっと○○を借りるよ? あの悪戯妖怪に追いつくにはアールバイパーのスピードが必要だ」

よく分からん理由で俺はかっ攫われる。聖には彼女を止める猶予は与えられなかった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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