この時代にはまだ命蓮寺は存在しない筈のなので、それとは別の寺院のようである。
上がり込むと見覚えのある頭に花を咲かせた長身の少女が出迎える。
もちろん彼女……当時の寅丸星にとっては俺達が初対面なのは言うまでもない。

星「聖、おかえりなさい。おや、一緒にいるのはまた身寄りのない妖怪たち……?」

聖「身寄りのない妖怪達と……人間の『○○』よ」

俺だけ名前を出されて少し驚く。その流れで軽く会釈する俺。

星「はい?」

信じ難いという眼差しを向けられる。

聖「大丈夫ですよ、○○さんは特に妖怪に憎しみも恐れも抱いていない。私達の仲間ですから」

虎の妖怪に舐めるように視線を浴びせられる。相当イレギュラーな存在なので仕方のないこと。

妖怪であるはずのぬえは後ろでモジモジしていた。確かムラサ達の本意も知らずに封印された聖の復活の邪魔をしてしまったっという経緯があり、気まずいのかもしれない。もちろん当時の皆がそのことを知る由もない(しかも聖は後にそれを知った上でぬえを許している)ので、完全にぬえの杞憂なのだが……。

星「おや、随分と怯えて……。ええとイカの妖怪なのかな?」

聖「いいえ、色とりどりのお皿を浮かべているでしょう? この子はお皿の妖怪みたいです。『ヌエーン』って名乗っていますが」

最後までぎこちないヌエーンもとい封獣ぬえ。

その頃にとりはというと、アールバイパーの元で荷物を取り出していた。

にとり「少しでも修理しないと……」

こんな特異な状況でも機械の修理のことを考えている。河童は技術力だけでなく、適応力も世界一なのかもしれない。

かくしてこの1000年前においての自分達の居場所が確保されたのであった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら