俺は興味本位から白蓮の後をつけて彼女の活動を目の当たりにしてきた。

西に怪我をして動けない妖怪の子供がいれば手当てを施して、東に野良妖怪に田んぼを荒らされて困っているという農家があると、すぐに飛んで(本当に空を飛んでいる!)防壁を作り……。

この頃から聖は精力的に妖怪の救済を行っていたようだ。もちろん人間の味方でもあることは言うまでもない。

来る日も来る日も俺は白蓮と行動を共にした。そこにはもはや私利私欲の感情はとうに薄れ、慈愛の精神によって突き動かされているように見えた。

貴方「ただ今戻りました」

最初は顔を合わす度に唸り声を上げながら睨みつけてきた星も、今はすっかり警戒を解いており、俺の知っている人懐っこい姿を見せている。

夕飯の用意をしていたらしいことが分かる。確かに奥の台所から美味しそうな香りがするのだ。その台所には星の他に一輪もいたようである。後ろ姿だが、あの頭巾を被っているのは彼女くらいなものだ。

すぐに夕飯といきたかったが、先に俺には行かないといけない場所がある。修理中のアールバイパーの置かれた場所。あれから雨風にさらされるのは可哀そうだとの聖の提案で入道「雲山」の手で空いた部屋に押し込まれているのだ。

1000年前の住民に聞かれたら困るような話し合いもここで行われる。
部屋に入ると黙々と作業を続けるにとり。来る日も来る日も作業ばかりだった。しかし、今日は大きくため息をついて額の汗をぬぐっていた。

にとり「あり合わせのもので修理できたよ。でも応急処置みたいなものだから無茶をさせないでおくれよ? これをまたお釈迦にされたら流石の私ももうお手上げなんだ」

アールバイパーはどうにか息を吹き返したようだ。ぬえがその翼をペチペチ叩きながら続ける。

ぬえ「さすが河童よね。あとは次にいつ雷が落ちるか……だね」

タイムスリップは落雷の時に暴発した能力。少し乱暴な考え方だが、再び雷に打たれることでタイムスリップを行えるのではないかということらしい。
本当にうまくいくかは分からないが、俺もそれ以外の妙案は浮かばない。今は信じるしか……なさそうだ。

聖「○○さーん、お夕飯冷めちゃいますよー?」

あまり待たせてはまずいな。二人を連れて俺は夕飯の置かれた部屋へと直行した。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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