鈍い頭痛がする。ゆっくりと視界が元に戻る。

先程の雷を落とした雲はとっくに立ち去ったのか、今はすがすがしい程に晴れ渡っている。どうやら俺は無事だったらしい。どうやらアールバイパーが代わりにダメージを負ってしまったらしい。高速での飛行が出来ず、ふわふわと浮遊するのがやっとのようだ。

にとり「う……ん……」
ぬえ「一体なんだったのよ……」

ひとまず機体から降りてみる。さっきの落雷のせいか、アールバイパーに塗られていたピンクのペンキは全て剥がれ落ちていて、元の銀翼の姿になっていた。シュウシュウと黒い煙が立ってもいる。

にとり「酷い目に遭ったね……。それにここはどこだろう? 見たことのない場所だ」

幻想郷に長く住まうにとりやぬえもここが何処なのかは分からないという。見渡すと何処までも荒れ放題の何もない荒地。空気が埃っぽく思わずせき込む。

にとり「君が下らないイタズラなんてするからこんな目に……」

ぬえ「イタズラはいつもしているでしょう。人のせいにしないで!」

いがみ合う二人だが、今はそんな状況じゃないだろう。どうにか二人を引き離し、落ちつかせる。

貴方「喧嘩しても状況は変わらない。それよかアールバイパーの機能がやられた。修理したいから早く帰らないと……」

命蓮寺への帰還、三人の目的は同じ。いがみ合う暇はないと彼女達もさとったのだろう。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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