どこからか聞こえる爆音に導かれて進むと二人の小さな妖怪がちょうどライブをしていた。
それぞれくりぬいたカボチャとくりぬいたカブを被っておりその顔はうかがい知れないが、片方の妖怪からは鳥の羽根が見え隠れしている。ミスティアと響子で間違いないだろう。
白蓮「……(ピシッ!)」
ぬえ「うわわ、聖をこっちに向かわせちゃ駄目だよ!」
ぬえの叫びもむなしく、ズンズンとステージへ詰め寄る白蓮。カボチャを被った妖怪がそれに気がついたのか、ビクンと体を震わせる。まずい、このままではこの場の雰囲気を壊してしまうぞ!
???「ちょっと、ぶつかっておいて挨拶もなしですか、魔・住・職・さ・ま・?」
あの特徴的な頭はまさか……! どうやら神子がライブを見ていたようである。かぼちゃジュース片手にくつろいでいたところ、思わぬ場所で商売仇に出くわして因縁をつけている。
白蓮「貴女こそ、こんな低俗な催し物なんか見て、聖徳太子の名前が泣いてしまいますわよ?」
神子「なっ! 言わせておけば……。そうやってお高くとまった態度が気に食わないわね。貴女とてそんなに褒められたものでもないくせに……」
ああ、また始まったよ……。本来なら白蓮のフォローに向かうところだが、今は響子を助けるのが先決だ。俺とぬえで響子を見つけると今のうちに隠れるようにと避難させる。当然ライブを中断するので弊害が出る筈だが……
ミスティア「おっと、『ジャック・オ・ランタン』のフレンズが来てくれた! 一発芸で会場を沸かすみたいだぞ」
ちょ、ショーに組み込まれた! しかも無茶振り。仕方がない、こういうのはあまり使いたくなかったが……
俺はネメシス人形を呼び出すと、高速で振り回してダンスに見立てた……があまり受けなかった。
ミスティア「うーん……。まあ飛び入り参加だからこんなもんかな? それじゃあちょっと休憩を挟もう」
スベっても拾ってくれる。みすちーの名司会ぶりに感涙した。その後楽屋裏で響子とミスティアと会いお菓子を交換した。あとは白蓮だが……。
いがみ合っている所を無理矢理押し入る。
貴方「トリックオアトリート!」
神子「とっくにトリックされてる件」
貴方「そこをなんとか!」
神子「やれやれ……、この人間に免じて今日はこれくらいにするわ。かぼちゃジュースあげるからそれ持って帰りなさい」
本格的な衝突をどうにか避けたのを確認すると俺は白蓮を半ば無理矢理に引っ張りこの場を後にした。なんでハロウィンでこんなに神経すり減らさなきゃいけないんだ……
疲れた……
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら