地上の喧騒から離れると、か細くもおぞましい呪詛のような声が響く。

???「ぱるぱるぱるぱる……」

音のする方へ飛ぶと……。

不機嫌そうな表情をした金髪で緑色の瞳を持った少女がいた。とんがった耳(エルフ耳って言うのかな?)が明らかに人間以外の何かであることを主張している。

???「人間ごときがこんなに楽しそうにイチャついて妬ましい。ああ妬ましい……」

空を飛ぶ彼女の眼下にも嫉妬心に煽られた魑魅魍魎がうごめいている。しばらく地上には降りたくない……。

???「何、私を止めに来たの?」

貴方「やっぱり……。人里の人間にちょっかいを出して滅茶苦茶にしたのはお前だな!」

こちらがまくし立てると、自らを嫉妬を操る「水橋パルスィ」であると名乗り出てきた。

パルスィ「そうよ。私の能力で嫉妬心を操ってやったの。人里に住む独り身の男がこの日に抱くであろう嫉妬心を利用させてもらったわ。嫉妬の感情を増幅させて、一時的に強化してあげたの。私の手足となってもらっている代わりにね」

よりにもよって人里の人間に手を出して滅茶苦茶にするとは……。そんな事したら八雲紫が黙ってないぞ……。

パルスィ「バレンタインデーは中止になるのよ、未来永劫ね。でもそれはそこにいる人間達の意思でもある……」

俺も去年までは似たような境遇だったので、気持ちはわからんでもない。でも、妬むなら仲間内でやるし、本当にカップル達に危害を加えたりなんかはしないものだ。

貴方「里の人間の嫉妬心を狂わせた上に彼等を手駒としてこき使った罪……。ちょっと重たくなるぞ」

こうなれば弾幕でねじ伏せるしかない。これ以上時間を稼がれたら寺子屋の様子も心配だ。ロックオンサイトに嫉妬妖怪を捉える。

パルスィ「ねえ、あそこの変な鳥の妖怪はね、毎日女の子がいっぱいいるお寺で寝泊まりしているそうよ? 羨ましいわね、妬ましいわね」

貴方「だから変な鳥の妖怪じゃなくて、超時空戦闘機アールバイ……」

地面を這いまわる魑魅魍魎の鋭い眼光が一度にこちらに向き、たじろいでしまった。アールバイパーを「変な鳥の妖怪」と呼ばれた時のお決まりの台詞も途切れてしまう。

魑魅魍魎どもがパルスィを庇うように群がる。

まずいな……迂闊に攻撃したら魑魅魍魎もとい人里の人間にも被害が出てしまう。どうにかパルスィだけを止めたいが……



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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