小町「さて……と。尼公さん、そろそろ時間だよ。名残惜しいかもしれないけれ……おや、他にもお客さん?」
暗闇の奥から大きなカマを持った長身の女性が出てくる。胸元をはだけさせており煽情的だ。
小町「ええと君は確か……○○だったかな? 七夕ってのはだね、お盆の行事の一環という側面があるんだ。七夕が過ぎると迎え火、送り火ってね。それでご先祖様をこの世に連れ戻すんだけど、何せ魂なんて沢山いるんだ。一気にやったら混み合ってしまう」
貴方「待った、確か小町さんは……」
小町「『お前は三途の川の船頭であって、お迎えとかする死神じゃないだろ』とかは言わせないよ。あたいが勝手にやっているだけだ。別に四季様に『あまりにサボってばかりだったから、こっちの手伝いしろ』って言われたとかじゃないぞ」
ああ、サボってばかりで閻魔様のカミナリが落ちたんだな。
小町「さて、横道にそれたね。んであたいが受け持った魂の中に命蓮がいたんだけど……」
小町が胸元をまさぐると短冊らしきものを取り出した。じっと顔を近づけて読んでみると白蓮の文字で「命蓮に会いたい」と書かれているのが分かる。
小町「……というわけで、あたいが連れてきた幽霊の中で命蓮とやらを見つけてきてこうやって密会させてるってワケ。あんまり長く放置するとコレやらかしたのがバレるから時間制限付きでね。お盆の時期見計らって毎年これやってるんだ。ミンナニハナイショダヨ(特に四季様には)」
なるほど、なんとも七夕らしい粋な計らいだ。天の川で隔てられて普段は会えない織姫と彦星が七夕の夜にだけ出会えるが如く、生と死で隔てられて普段は会えない白蓮と命蓮が七夕の夜にだけ出会える。前言撤回、小町は本当に好きでやっているんだ。サボり癖のある小町が進んでお手伝いを申し出るんだ。映姫様も止めたりはしないだろう。
貴方「なんてこった。割って入ったことで水入らずの時間を奪ってしまったらしい」
が、小町の様子がおかしい。
小町「ファーア……。さすがに深夜はキツいねぇ。ちょっと仮眠でも取るかな……。これはあたいの独り言だけど姉弟水入らずって大事だよね」
凄くわざとらしいサボり宣言。俺と星は白蓮に一声かけるとひとまずこの場から引っ込むことにした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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