閻魔の居る方向とは別の方向から声がする。巨大な鎌を手にした彼女は飄々とした口調で更に続ける。

小町「四季様、旧暦の七夕ってことはお盆の時期って事ですよ? お盆なら死者の霊がこの世にやってきても何らおかしくはない。そんな事も忘れたのですか?」

キョトンとした緑髪の閻魔。そして驚いたのか眼を見開く。

映姫「それではここに居る命蓮はお盆だから戻ってきただけ……?」

小町「当たり前じゃないですか。四季様、まさかお盆を否定するなんてことしませんよね? まあ普段お世話になってる命蓮寺の皆さんの為にあたいが命蓮を直々にここまで連れて行ったり、一時的に霊体に実体を持たせたりってのはあるけどね。この程度はサービスの一環さ」

映姫「そ、それにしたって小町は送り迎えの死神とは違う……」

小町「いいじゃないですか、普段サボってばかりなんでたまにはボランティアをってね。そんな細かいところばっかりに目が行くから胸もないくせに肩ばかりが凝るんですよ。凝り固まった体では全体は見渡せない。目の前の正義を追いかけているうちに大義を見失う。あたいが言うのも難ですが、少し休んだらどうです?」

映姫「散々私のことを馬鹿にして……。待ちなさい、小町!」

小町「ランニングですね。道具も使わないしいい運動になるでしょう。でも、そんな全力疾走するものじゃないですよ。それっ、逃げろや逃げろ!」

映姫から逃げようと去る小町が一瞬だけこちらに距離を詰めてきた。

小町「(あんなあちこちが凝り固まってオカシくなった四季様の事は任せな。あの人も過労でストレス溜まってるんだ。適当に撒いたらここに戻って命蓮を迎えるからそれまで水入らずの会話でも楽しむといいさ)」

それだけ小声で伝えると小町はスタコラサッサと逃走していった。


(姉弟水入らずの会話中……)

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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