あれから数日後……
俺は再びミッションを受け取り、そして銀翼を飛ばしている。全ては人と妖怪が手を取り合える素敵な幻想郷へと導くため、恩人「聖白蓮」の理想に少しでも近づく為に。
筋が通っていれば依頼主が人間だろうが妖怪だろうが受け入れる。それが俺の、命蓮寺のやり方だ。今回は花畑を管理している妖怪のものであった。わざわざ手紙で依頼を行い、更には俺に一人で来てくれと名指しで念を押すあたり相当頼りにされていることが伺える。
辿り着いた場所は真っ白な小さい花を咲かせた花畑。数日前に別の依頼でここに来たことがあったが……。
とりあえず依頼主っぽい人に話を聞いてみよう。見渡すと鈴蘭の花のじゅうたんの真ん中にそれらしき少女の姿が見える。手招きしているようだが、降りてから来てくれとジェスチャーを送っている。
この前に鈴蘭の花畑の一角に穴をあけてしまったことを思い出し、俺もそれを承諾。花を踏まないようにずんずんと前に進み、彼女の目の前まで立ち寄る。
貴方「依頼を聞こう」
とっても小さな依頼人。薄羽も持っているので妖精の類だろうか、上海人形と大差ない大きさ。そんな彼女はただただ無言だった。むう、何も言わないと内容がわからな……
刹那、視界がぐにゃりと揺れた。脚に力が入らず思わず転倒する。最近体を酷使しすぎただろうか。だが、起き上がろうとする腕にも力が入らない。おかしい、何かがおかしいぞ……
???「知ってる? 鈴蘭の花には強烈な毒が詰まっているのを……」
ガスのもれだすような音と共に、周囲が薄紫色の霧に覆われる。思わずせき込む。今「毒」っていっていたな。これは毒ガスの類……?
い、一旦退却だ。念のため連れていたネメシス人形を呼ぶと、ひとまずアールバイパーのところまで運んでもらおうとする。が、声が出ない。まずいな、神経も麻痺してきた……。
いや、どの道助かる道理などない。生命線たる俺の人形は一人の少女の手の中に収まっていたのだから……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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