人形を抱える背の低い少女。彼女から毒ガスが発生しているようだ。これはまさか……ハメられた?
???「貴方は私の計画の邪魔になるから消えて貰うわ。私の、『メディスン・メランコリー』の人形解放運動のね」
無邪気な声でそうささやく。だが言っている内容自体は物騒極まりない。声も出せぬ、立ち上がれぬの状態で辛うじてうめき声をあげてみた。
メディスン「鈴蘭の毒に当てられてもはや貴方は貴方でいられなくなるわ。もはや時間の問題。こうして人形を武器に使うような不埒な輩は一人また一人と消えていくわ」
やばい……。やばいやばいやばい! こんな所で鈴蘭の栄養にされるのはお断りだ! こうなったら一か八か、あらん限りの脚力で起き上がり、何としてもアールバイパーの元まで向かう!
貴方「人形を……返せっ!」
動いた。あらん限りの力で飛びだした俺はこの毒を撒き散らす少女に突き飛ばすようにぶつかりこんだ。その際にネメシスを奪還。相手が油断していたのか、腕力の強い妖怪ではなかったのか、大して苦労なく奪還できた。
貴方「ネメシス、俺を運べ!」
小さい人形に半ば引きずられるように運ばれる。ゾリゾリと脛が擦られるが、仕方がない。
メディスン「馬鹿な真似を……。そんなに激しく動きまわったら余計にはやく毒が全身に回るわよ?」
ぐわんぐわんと世界がサイケデリックに染まっていく。弾幕らしきものも撃ち込んでいるのか、背後からの強烈なプレッシャーを感じつつも、どうにか途中で撃ち落とされる事なく、この銀翼の元にまでたどり着けた。
尚も執拗に続く攻撃。不意に背後から掴まれた!
メディスン「逃がさない……」
コクピットから引きずりおろそうとしてくる。しばらく揉み合いになるも、毒を受けている俺が圧倒的に不利。遠のきそうになる意識を必死に繋ぎとめようとする。
不意にメディスンが離れた。見ると俺にしがみついていたネメシス人形が俺から離れてしまい、その反動でメディスンが尻もちをついたようなのだ。
ネメシスは惜しい。だが、今は命の方が重い。後で取り返そう……。一瞬の隙をついて手早くコクピットを閉じる。これでもはや邪魔はされない。
メディスン「私からは逃げられても、貴方をむしばむ毒からは逃げられないわ」
フラフラする中、アールバイパーを起動。この危険な花畑から猛スピードで脱出した。
貴方「……ぅくっ!!」
が、限界だった。意識が切り離される。そうはさせまいと眼を素早くしばたたかせる。頼む……命蓮寺に着くまでは……意識を…………
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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