俺に危害を加えた犯人だというのに白蓮は相変わらずゆったりと構える。話せるように「さあ」と何度か促していた。

メディ「花……私の花畑、滅茶苦茶にした。あと人形を武器にして可哀そうだった。許せなかった。それで人形……助けた。鳥の妖怪の中身、毒で懲らしめた」

ぽつり、ぽつりと少しずつ白状している。

白蓮「……そうでしたか。確かメディちゃんは元々鈴蘭畑で生まれたお人形の妖怪さんでしたね。自分の好きな花や人形に乱暴していると思って懲らしめたかったのでしょう? 貴女の言い分はちゃんと理解しました」

俺の方を振り向くと今度は俺に「さあ」と促す。先程メディスンが口にしたのは数日前に妖怪を花畑の上空で追いつめて交戦した時のことだろう。確かに花畑の一画をレーザーで焼き払ってしまったし、妖怪を仕留める際に「操術『オプションシュート』」を発動していた。このスペルは傍から見れば人形を爆弾にして飛ばしているようにしか見えない。そうか、俺にも非がある。謝れと言っているのだろう。

折角揉め事の仲裁をしてくれているし、白蓮のニコニコ笑顔で咎められては逆らえない。そんな不可思議な力が働いているのだ。ここは素直に応じよう。謝罪の言葉を投げかけた。

白蓮「はい、よく言えました♪」

今度はメディスンに向き直る。

白蓮「メディちゃんも言うことがありませんか? その子……ネメシスちゃんは○○さんが大切にしているお人形さんです。まあ確かに乱暴に扱っているようにも見えるかもしれませんが……、その子と○○さんの思い出まで奪ってしまう権利は貴女にはないでしょう? ……さあ、○○さんも反省しているようですし、今度は貴女の番ですよ?」

相変わらずニコニコ笑顔なのだが、逆らえない不思議な力が働いているような気がする。それはこの鈴蘭妖怪にとっても例外ではなかったようだ。

メディスン「ごめん……なさい」

お互いの手を取っていた白蓮がその両手を繋がせる。仲直りの握手といったところか。

メディスン「毒……抜いてあげる」

繋いだ右手から全身のけだるさが抜けていく感覚。俺の体を蝕んでいた毒をここから抜いているのだろう。ああ、これで全てが元に戻る。元の姿に……



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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