無理だ……。アールバイパーは最低限の戦闘しか出来ず、生身の状態では空を飛ぶこともままならない俺に弾幕ごっこなど出来る筈がない。
しょんぼりとうなだれていると、その肩にポンと手を置かれる。
雛「心配ないわ。貴方にはメディの毒が詰まっている。これを使いましょう。あの子は生物を操るような毒素も持っているの。もしかしたら貴方も使えるかもしれない」
なんだかトンデモな理論が飛び出したぞ。そもそも蝕む毒を操れるのであれば、最初から毒を放出すればいいだけではないか。
貴方「そんな無茶苦茶な……」
雛「私が教えてあげるわ。厄と扱い方は似ているの。みっちり練習すれば少しは使えるわ。……多分」
(少女達鍛練中……)
雛「そう、手の平から放出するイメージで」
鍛練といっても「あれをイメージして動け」のような内容であり、肉体的なしんどさはあまりない。だが、意外と集中力を要するものであった。
雛「違うこと考えちゃダメ。もっと集中して」
怒られた……
(少女達更に鍛練中……)
右手の平に意識を集中させる。ポウっと暖かくなり、紫色の小さな渦が出来上がる。わたあめのように渦は大きくなるとソフトボール程度の大きさにまで成長した。
雛「おめでとう! これが貴方を蝕んでいた毒の一部よ。それじゃあ次の段階に移るわ」
次の段階……? 毒を放出できるようになればいいのではないのだろうか。
雛「今ボールにした毒素は貴方を蝕む中の微量に過ぎないわ。それだけでは毒は消えきらない」
小声で、でも鋭い口調で注意されて俺は思わずうなだれてしまう。……と、厄に阻まれて誰もいない筈のこの空間に1匹の妖精がフラフラと迷い込んできた。
雛「丁度いいわ。さっきのボールをあの妖精にぶつけなさい」
理由もないのに妖精をいじめるのは気が進まない。拒もうとするも、「元の姿に戻りたいのでしょ?」と凄まれて、しぶしぶ妖精にボールを投げつけた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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