不気味なまでに真っ白な花がどこまでも広がっている。俺はまた鈴蘭畑に入りこんでいた。

俺と、そしてここに着くまでの道中でキャプチャーした名もなき妖精がそれを目にしている。彼女のあのうつろな瞳はあまり見ないようにしよう。罪の意識にさいなまれる……。

銀翼の姿は非常に特徴的である。鈴蘭畑の持ち主が気づかない筈もなく外敵排除の為にのっそりと近寄って来る。その際に1発の弾をこちらに飛ばす。的はずれの場所に飛ぶ辺り、威嚇射撃であることが伺える。

メディスン「その銀色が眩しいわ。何処かに失せないと今度は落とす」

貴方「弾幕で勝負して欲しい。俺が勝てばネメシス人形は返してもらうぞ」

この幼い妖怪にも弾幕ごっこの意味する事は分かっていたようだ。幻想郷の揉め事は弾幕ごっこで解決する。それが最も平和的で絶対的なものなのだ。

スゥと音もなく彼女はこちらまで飛んでいき……そして更に高度を上げていった。

メディスン「そんな低空でやりあったら鈴蘭が可哀そうでしょう?」

それもそうだと、俺も追いかけるように高度をあげるのだが……。しまった、早速仕掛けられたようだ。妙に上昇がゆっくりになっている。またあのガスなのか。

目いっぱい速度を上げて、毒ガス地帯を抜ける。とはいってもこちらは大して攻撃の手段があるわけではない。自身の貧弱なショットとキャプチャーした名もなき妖精の援護射撃頼みという体たらく。

メディスン「毒符『神経の毒』っ!」

弾幕を回避する。毒ガスに突っ込む。動きが鈍る。どうにか弾幕を回避する。また逃げ場がなくなる。再び毒ガスに突っ込む。たまにこちらからも攻撃するも簡単に避けられる。そもそも通常ショットだけでは弾幕とは言えない。特殊武装が使用できないということは、その特殊武装を利用した一切のスペルカードが使用できないということにもなる。

いや、手はある。このキャプチャーした可哀そうな妖精の生体エネルギーを「αビーム」のエネルギーに変換し、撃ち出せばそれなりのダメージを与えることは出来るだろう。だが、確信が持てない。もしもこの最後の切り札で仕留め損ずれば、俺はいよいよ手詰まりなのだ。

ああ、なんで弾幕ごっこしようとか言ったんだろう……。しかし「αビーム」を使わなければこちらは防戦一方である。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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