(いつもより香水の匂いが強い…手には黄色い薔薇の花束)
(ボウイにその気が無いとは分かっていても…)
…面倒な女だ、いつまで言い寄って来るつもり…ん?
おい、どうした
通せ、待ち合わせがあるんだ
…通せと言っているのが分からないか?
(好きでもない女性の元に行くのが余程堪えるらしく、イライラした口調で貴女を押し退けようとします)
退け
(上から押え付ける様な声と目線が怖いけど、それでも行かないでと云う様にボウイの袖を握る貴女)
…退け
(離れようとしない貴女に舌打ちするボウイ)
退けと言っているだろう!!!…っ!!?
(ドサッ!)
(貴女を振り払おうとして怒鳴りつけながら思い切り腕を振り上げた瞬間、小さい貴女の身体は簡単に飛ばされ硬い床に打ち付けられてしまいました)
あ…
(床に倒れ伏した貴女と自分の手を見て真っ蒼になるボウイ)
(震えながら貴女に近付き、屈み込んで抱き起こしました)
すまない、…
(拒絶された悲しみと、感じた事も無い強い力で突き飛ばされた恐怖)
(貴女は震えながら、それでもボウイを見つめます)
…済まない、俺は…馬鹿だった
俺が、怖いか?
(貴女を抱き締め、頬をくっつけてくるボウイ)
(ふと気付くと、貴女の頬に温かい何かが流れてくる)
(…ボウイが泣いていた)
ごめんな、…こんな人間で
(そう言うと、貴女を抱き締めたまま肩を震わせ始めた)
震えながらボウイの涙を拭うなでなでする