(ざくり、と皮膚が斬られる感触。肩や胸、腹が熱い。魔物の爪が肩からわき腹まで引き裂いたのだと気付いたのは、ゆっくりと視界に空が映ったから…)

○○ッ!!

(レイヴンの声が聞こえる…。でも段々小さくなっていく…)

やめて……死なないでちょうだい…っ!くそっ、血が止まらない…!こうなりゃ愛の快針で…!

(ダメだよレイヴン…。それじゃあ貴方を庇った意味が…なくなっちゃう…)

(あぁ、もう貴方の顔すら見えなくて―――)
庇う