あーあ、不知火のおねえちゃん行っちゃったね
それで、そこのおねえちゃんがあいてしてくれるのかな?(その残念そうな声とは裏腹に、子供が新たな遊び道具を見つけたような目で二人を見ていた)
ま、いいや それにそっちのおねえちゃん、「死ぬまで戦う」って言ってたよね?
くすくす…ころして、あげる……!(その声とともにアサシンは天龍めがけて襲いかかった)
(天龍はこれをぎりぎり回避し次いで長門がアサシンに向かって砲撃を仕掛けたが当たらなかった)
(さらに闇に隠れて長門に向けてナイフを投擲したが咄嗟に避けられないと判断した長門はあえて装甲の厚いところで受けて最小限にダメージを抑えることに成功し、返す刀で天龍が突貫し接近戦を試みるもあっさり距離を離された)
ありゃ、避けられちゃった じゃあこんなのはどうかな?(アサシンはどこから出したのか古びたランタンのようなものを取り出した。そのランタンは光を照らすのではなく黒い霧のようなものを大量に吐き出し始めた)
長門「これは…?…!天龍、口と鼻を押さえろ!」(その霧に肌がふれると同時に針に刺されたような痛みを感じ、ついで激しい目の痛みを覚えた)
(アサシンの宝具の一つ『暗黒霧都』(ザ・ミスト)。これはイギリス産業革命期に問題となっていた公害の再現。強力な硫酸の霧を発生させて中にいる者の命を奪い、また中にいる者は方位感覚を失って外に出ることが困難になる。)
まあ、艦娘さんたちは耐えられるだろうけど……
おねえちゃんたちはもう、ここから出られないよ?(その声とともに再び強襲してきたが天龍は霧の影響で咄嗟に動くことができなかった)
遅いよ?(ザシュッ)天龍「ぐっ…この程度!撃てー!」長門「撃てー!」(アサシンが着地する瞬間に砲撃を試みたがこれもあっさり躱されてしまった)
長門「天龍、大丈夫か!」天龍「クソッ、足を深く斬られたみたいだ。もう今までのようには動けねぇな…おまけにこの霧だ、このままではなぶり殺しにされちまう。どうすれば…」長門「…一つだけ策がある、だが…」天龍「策があるのか!?なら教えろ!」長門「しかし、これは…」天龍「あれに勝つためなら俺は何でもする。アイツを提督のところに向かわせるわけにはいかねぇ!」長門「…分かった。ゴニョゴニョゴニョ…」(長門は勝利のための、捨て身の作戦を伝え、そして―――)
のろいね(ザシュッ)(ガシッ)
!?天龍「捕まえたぞ、クソガキ…!長門ォ!」長門「よし!」(ついに二人はアサシンを捕捉することに成功した)
天龍「これで、俺達の勝ちだぁ!」天龍&長門「撃てー!」(長門の砲弾は天龍もろともアサシンに撃ち込まれ、天龍もまた自分が捕まえたアサシンに至近距離で砲撃を加えていた)
(二人を中心に大きな水柱が上がり、これで終わった、勝利したという安堵からか天龍は不覚にもアサシンが自分の手から離れていることに気付かなかった)
長門「これだけやれば…」天龍「ああ、これで、やっと…ガッ」長門「な、天龍!まさか…」(意識を刈り取られ倒れた天龍の上に、倒したはずのアサシンが立っていた)
いたいな、びっくりしちゃった あんな方法でわたしたちをつかまえるなんて
でも、もうおしまい これ以上時間をかけると不知火のおねえちゃんが逃げ切っちゃうからね(そう言い残すと今までの比ではないスピードで襲い掛かり、)
バイバイ(回避も防御もままならなかった長門は最後に無邪気な子供のような声を聴いて、他の艦娘と同じように意識を刈り取られた)
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