金剛「霧島ァー!」

(金剛は叫ぶが、霧島は身をよじって躱すことすら難しいようであった。が、アサシンのナイフは霧島の喉元に届く寸前、突然の衝撃を受けて弾かれ、宙を舞った)

ガガガガッ!!

(ナイフを弾き飛ばしたのは、何処からともなく現れた零式艦戦52型の機銃であった。役目を終えた零戦は無理な夜間飛行を継続せず、氷の上に不時着する)

「--ふう、間一髪でありますな」

(白い軍服を着、軍刀を提げた何者かが、零戦を拾い上げながらそう言った)

金剛「提と……く?」

提督?「まったく…折角叩き起こされて影武者の任を仰せつかったのに、これでは台無しであります。まあ、自分が起こされていたお陰で霧島殿をお救いできたのであれば、無駄ではなかったのでありますな。霧島殿!ご無事でありますか?」

霧島「あきつ丸!助かったわ」

あきつ丸「礼はご無用であります。お二人は暫く休んでいるのであります。氷の上といえど、ここもおかのようなもの、おかのことはおかの者に任せるのであります。金剛殿、比叡殿、榛名殿!援護を頼みます」

(そう言って、あきつ丸は提督の軍刀をすらりと抜き放ち--)

あきつ丸「丙型特種船あきつ丸、推して参る!」

(--猛然とアサシンに斬りかかった)


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