アサシン「次はだれにしようかな?」

(最初に動いたのは比叡と榛名の二人だった)

榛名「よくも霧島を…!」
比叡「お姉さまの仇ッ!!」

ドウッッ!

(上と下から挟み込むように放たれた砲弾がアサシンを捉えることはなく…)

比叡「くぅ…ッ!」
榛名「ああっ!?」

(二人は文字通り瞬く間に氷の上に倒れこんだ)

疾い…!

(次の標的はクルーザーの上で提督を守るあきつ丸だった)

アサシン「バイバイ」

あきつ丸「…え?」

ブシュウゥッ!

(あきつ丸は自分が何をされたのか理解する間もなく、鮮血を撒き散らして倒れ伏した)

アサシン「あとは…」

司令に…触るなああああっ!!

(不知火の放った砲弾は空を切り、次の瞬間、アサシンは不知火の目の前に出現していた)

--右の脇!

アサシン「クスクス。はずれ」

ぐあっ!?

(目の前にいたはずのアサシンは次の瞬間には背後に出現し、不知火の左太ももを切り裂くとまた姿を消した)

くっ…次はどこ!?

ブシッ!    くっ!?

ザクッ!    あぅっ!

(先ほどまで対応できていたアサシンの攻撃に、不知火はなす術もなく切り刻まれていた。それはアサシンのスキル“霧夜の殺人”。夜ならば必ず先手を取ることができ、対応するには“直感”に頼る他ないという能力。先ほどまでは冷静であった不知火の直感も、仲間たちが目の前で次々と倒れていくという現実を前に大きく損なわれていた。そして…)

アサシン「ねぇ?ひとつ選ばせてあげる。おねえちゃんたちはもうおしまい。でも、おねえちゃんか、しれいさんか、どちらか片方なら、生かして帰してあげる。クスクス。どっちがいい?」

何を言って…!

アサシン「クスクス。あ、今迷ったでしょう?しれいさんより、自分が助かろうとおもったでしょう?」

ふざけるな…誰が…!

アサシン「クスクスクスクス。ねえ、

は く じ ょ う す る ?」


プチン

この…外道があああああああああああ!!!

(不知火の理性は限界だった。そしてそれは、次なるアサシンの攻撃が必殺のものとなることを意味した)

アサシン「そう…じゃあ、おわりにするね?」

く…

(アサシンは不知火の背後から飛び掛った。回避不能の攻撃で、不知火の意識を刈り取るために)

ブシィィィイイッ!!

(鮮血が氷の大地を赤く染め上げた--)


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