……目がさめたんだね、せっかくねむらせてあげたのにもう目がさめたんだ(大きな傷は治せないが、サーヴァントが持つ再生能力で折れた歯などの小さな傷はすぐに回復した。また先ほど付けられた大きな傷もアサシンは全く気にしていなかった)
ばかだね、ねむっておけばそれで終わったのに(この言葉とともに纏う空気が変化した。事ここにいたり、ついに霧の暗殺者はその実力の本領を発揮し始めた。
アサシンはランタンを取り出した。これは先の夜戦で使用されたものと同じものであるが、長門と天龍がいまだ目を覚ましてはいないのでこのランタンが何かわかるものはいなかった)
伊勢「あれは…?嫌な予感がする、あれを使わせてはダメ!」ガォンッ!!ガォンッ!!能代「私たちも続きます!」ドウッ!ドゥッ!(しかし正体はわからなくてもそれが危険なものであるというのはすぐに理解できるためにすぐ砲撃で邪魔しようとしたが、)
くすくす、あたらないよ?(アサシンはこの砲撃を何と倒れた金剛の体を盾にして防いだ)
金剛「あ…が…」能代「なんてことを!?金剛さんを離しなさい!」うん、わかったブゥン!能代「なっ!?」バイバイ(さらに盾にした金剛を矢矧に投げつけ、自身はその陰に隠れて一気に接近し能代の一瞬のすきをついて体を切り裂いた)
能代「ぐぅっ…」伊勢「能代、下がりなさい!」阿賀野「撃ちます!」ドウッ!ドゥッ!(深い傷を負った能代を守るように伊勢と姉の阿賀野が前に出て戦ったが、砲撃がすべて躱され当たらなかった)
伊勢「この、ちょこまかと…!」バイバイガガガッ!!?(隙を見て伊勢の喉を切り裂こうと飛び掛かったが、突如アサシンに機銃弾が襲いかかり一度距離を取った)
伊勢「瑞鶴!助かったわ!」瑞鶴「間に合ったのね、良かった!」(伊勢を救ったのは瑞鶴の指揮していた烈風だった)
(距離を取ったアサシンは砲弾の集中攻撃を受けて、躱し続けたものの足止めを食らっていた。そして―――)
赤城「全爆撃隊、爆撃開始!」ドォン!ドォン!ドォォォン…(赤城の号令とともに爆撃が開始された)
赤城「これでどう…?」(爆撃された場所はもうもうと煙が上がり、アサシンがどうなったのかは確認できなかった。その為煙が晴れるのを待っていたが、これが致命的な隙になった)
…『暗黒霧都』発動(立ち上る煙を飲み込むように霧が急速に広がり、近くにいた艦娘を飲み込み少々離れた場所にいた空母艦娘は異変を察知し離脱しようと全速力で行動したが間に合わずに飲み込まれ、この場にいる全ての艦娘が霧に呑まれた)
「あ、ああああああああああああ!目が!目が痛いよ!!」
(強力な硫酸の霧に飲まれた艦娘達、特に幼い駆逐艦娘の中には目もあけていられないほどの激痛に絶叫するものもあらわれた)
(そして、艦娘でさえ者によっては戦闘が難しくなるほど強力な霧に、提督は耐えられるはずもなかった)
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