青葉「…ダメです、その条件は飲めません」

「ほう、理由を聞かせてもらおうか」

青葉「まず最初の条件ですが、情報は非常に大切なものです。それを停戦したとはいえ、敵に渡すことはできません。二つ目の条件についても同じです。敵の本拠地に私たちの大切な仲間を連れて行くことはできません」

「呵々、我らの出した条件を蹴るか。代替案はあるのか?」

青葉「…ありません。ですが、その条件は飲めません」

「となると…交渉は決裂した、ということで構わんな?」

青葉「この条件が必須ということであれば…構いません」

(交渉が決裂した後、邪魔にならないように下がっていた仲間のもとに急いで戻って報告したが―――)

青葉「ごめんなさい…交渉は失敗しました…本当に、本当にごめんなさい…」

陸奥「大丈夫よ、あなたはよく頑張ったわ」

青葉「で、でもみんなの命がかかってたのに…」

衣笠「青葉はよく頑張ったわ!あとは、何が何でも一人もかけることなく撤退するだけよ」

(ダダダ)

伊勢「みんな!無事!?」

陸奥「伊勢と阿賀野も無事だったのね!能代は、どう…?」

阿賀野「だいぶ落ち着いてきました。矢矧と酒匂も見つかりました、ひどい重傷を負ってはいますが…。いまは第六駆逐隊の子がみてくれています」

伊勢「で、何をやっていたの?敵さんと何か話していたようだったけど」

青葉「それがですね…斯く斯く云々」

伊勢「そう、わかったわ。じゃあ―――」

「■■■■■■■■■■■■ーーー!」

「!?」

(撤退するための作戦を急いで練ろうとしていたとき、突如咆哮が響き渡った)

(思わず振り向いたその先には先ほどまでの二騎とは別に、鉛色の肌をした巌の如き巨人と漆黒の霧に包まれたフルプレートの騎士がいた)

伊勢「何よ、あれ…!」

陸奥「何でもいいわ、敵である以上倒すだけよ!あの巨人は見たところ腰巻しかつけていないわ!図体もでかいしあれから狙って!」

「「「「了解!」」」」

(陸奥、伊勢、阿賀野、衣笠、青葉の主砲が炸裂、狙い過たず見事に全弾巨人に命中した)

ガガガキィィィィィン!

(見事に全弾命中したが金属が衝突するような轟音を上げて弾かれた。そう、何も着ていない、上半身は裸のはずなのに肉体に命中した砲弾は弾かれ傷一つ負っていなかった)

陸奥「なんて防御力なの!?四十一センチ砲が効かないなんて!」

(そして再びあの『男』の朗々とした声が空に響き渡り―――)

『北方海域に展開している全サーヴァントに命ずる。艦娘を一人残らず―――』

『―――鏖殺しろ』


(―――絶望の始まりとなる号令を下した)



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