ゴバァッ!瑞鶴「ぐぅっっ!!」(魚雷の爆発をまともに受け、瑞鶴は数メートルも後方に吹き飛ばされ、膝をついた)
瑞鶴(飛行甲板は…もうダメ…弓も……誘爆を、防がなきゃ…!)(瑞鶴は大きくひびの入った胸当てを右手で掴み、火のついた服ごと引きちぎって投げ捨てた。白い胸が顕わになるが、そのようなことを気にしている余裕はない。懐に収められていた航空燃料と弾薬が無事に水面に沈んだことを確認すると、闘志だけは残された眼でレ級をキッと睨み付けた)
レ級「…キヒヒッ」(レ級は主砲を瑞鶴の顔面に向け、余裕の笑みを浮かべている。機動部隊本隊の全力を投入した飽和攻撃を以てしても中破に持ち込むのがやっとだった。今一度同様の攻撃をしようにも、霧島・日向・隼鷹・瑞鶴は大破。ほぼ無傷なのは赤城と飛鷹だが、攻撃するには着艦させた艦爆・艦攻を再発艦させなければならない。眼前に迫る危機に対抗するには、あまりにも時間がない)
瑞鶴「…化物め…ッ!」(『それは光栄』とでも言いたげに、レ級は口角をより一層吊り上げる。『沈む』――そう確信した瑞鶴は、最愛の姉への別れを告げようと口を開くが……次に瑞鶴の耳に入ってきたのは、自分の声でも、砲撃の爆音でもなかった)
「ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああッ!!!」ドッザァァッ!!(瑞鶴の右手から、何者かのドロップキックが斉射直前の敵艦を弾き飛ばした)
瑞鶴「霧…島…!」霧島「ずいぶん痛めつけてくれたわね…第2ラウンド、開始するわよ!」(4基の砲塔全てを壊されながらなお悠然と立つ高速戦艦の背中を見つめながら、瑞鶴は意識を手放した)
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