摩耶「な、なんだぁっ!?」赤城「雷撃!?」日向「援軍かっ!それとも…」利根「いや、周囲に艦娘も深海棲艦もおらん」鬼怒「まさか…」利根「うむ…先ほど撃った魚雷が帰ってきて当たったとしか思えん」早霜「潮の流れなどで魚雷が向きを変えて、撃った方に帰ってくることは稀にあるわ。でも…」Верный「それが敵に命中するなんて、なんて偶然…いや、強運…ッ!」(そう、雷撃はレ級の足元…喫水線下に命中していた。崩れ落ちた水柱の中から現れたのは、もんどりうって転倒しかかるレ級と、その手を離れて空中に放り出された不知火の姿だった)
鬼怒「不知火っ!」(レ級は体勢を立て直しながらこの想定外の状況を整理すべく頭脳をフル回転させ、艦娘たちと同じ結論に至った)
レ級(撃った魚雷が帰ってくるなんて、いくらなんでもラッキーすぎる!でも、そのくらいじゃなきゃ面白くないよねぇ…幸い損傷は軽微…そしてこの体勢なら、まだこちらが有利っ!)ドッ!ドッ!(未だ宙にある不知火目掛けて二発の砲弾を放つ!)
不知火(舞風なら――っ)
(空中で身体を捻り、強引に片足を着水させる。そして…)
不知火「それっ、ワン!ツー!」
(一歩目は舞うように軽やかなステップで砲弾を躱し、さらに二歩目で姿勢を低くして水面を滑走、レ級の懐に潜り込んだ!)
不知火「サンッ!!」
ドモンッ!レ級「なっ…かはっ…!?」(不知火の“左正拳突き”がレ級の腹に突き刺さる!腕力こそ霧島に及ばないが、完全に意表を突いた攻撃はレ級の動きを停止させるのに十分だった。そして――)
不知火(霧島さんならっ!)
不知火「―――ッシィィィィ!!!!」
(渾身の右拳。当然、その威力は戦艦の拳には及ばない。故に、インパクトの瞬間、右肩の主砲を“後方に向けて”放つ!斉射の反作用が加わった拳の破壊力は、高速戦艦の全力に匹敵するッ!!)
ドゴォッ!!!レ級「ンガァッ!」レ級(な、なんだコイツ…他の艦娘の動きをコピーしてるのか?馬鹿な、それだけでこのボクがこんなに押されるはずが…)不知火(ギロリ)
レ級(この眼…!)レ級(そう、そうだよ、ボクが求めていたのはこの“眼光”なんだ!ふふ、面白い、面白い!面白い!!)レ級「ギャハハハハッ!!!」ドドッ!!(後方に吹っ飛ばされながら、主砲を斉射する。砲弾は不知火の体躯を確実に捉え…そして空高く弾き飛ばされた不知火は――立った。まるでダメージなど負っていないかのように)
不知火「陽炎型の装甲は、伊達ではない!」
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