飛鷹「嘘…なんで立ってられるの…?」隼鷹「陽炎型の装甲って…あんなに強かったか?」日向「いや…アレは装甲を利用しつつ、衝撃を受け流しているのだ。長門もそうしていると言っていた。『流石に原爆は受け流せなかったが』と笑っていたな…」飛鷹「だからって…!」日向「当然…それでダメージが0になるわけではない。だが、あの砲撃を耐える方法としては最善だろう」飛鷹「そうじゃないわよ!なんで駆逐艦のあの子が長門と同じことを出来るのよ!」早霜「ふふふ…『出来る出来ないじゃない、やるんです』…不知火さんなら…そう言うでしょうね…」飛鷹「は、早霜…貴女はそれで納得できるの?」早霜「あの子は…ただ仲間の動きを真似ているんじゃないわ…その時その時で、“自分の知る最善の動き”…それを実行しているに過ぎない…出来る出来ないに関係なく、ね…」Верный「しかし…そんなことを続けていれば、必ず身体に無理がかかる。私たちも加勢しなければ」早霜「それはダメ。見たでしょう?さっきの砲撃…あの子は、“私たちに向けて”撃ったわ…」Верный「!」早霜「今のあの子には…私たちを見る余裕すらない…下手に手を出せば、足手まといにしかなりません…」飛鷹「でも、それじゃ…」早霜「待つんです。必ず、チャンスは来る…あの子は、私たちを見ていないだけで、忘れてしまったわけじゃないわ……今も、“皆の力で”戦っている…きっと、“皆の力で”勝利を掴みたいに違いないわ」鬼怒「……不知火のこと、よく理解してるんだね」早霜「見て、いましたから。ずっと、ずっと――――」~~~~~~~~~~
レ級「ぎゃはははははは!!どうしたどうした!さっきみたいに、もっと威勢よくかかってこいよ!!」ドゥッ!ドゥッ!不知火「……」
ドバッ!ドバッ!(間断なく撃ち込まれるレ級の砲撃に、不知火は回避を強いられ続けているようにみえたが…)
不知火「ちゃくだーん、今っ!!」
(弾着のタイミングを読み、左手に持ったナイフを降ってきた弾丸目掛けて放り投げた。砲弾が不知火の“背後で”爆発するように調節して)
ドォッッ!!(爆風に乗って、不知火は飛び出す。その速度は陽炎型駆逐艦の最高速度を超え、島風型にも匹敵する!)
レ級「このっ!」ドッ!(虚を突かれた格好となったレ級だが、その判断は素早かった。不知火の“弾道”に正面から当たるように、主砲を水平射する)
不知火「…鎧袖一触よ」
(いつの間に拾っていたのか…その手には先ほど赤城が放り捨てた弓矢が握られていた。片足立ちの無理な体勢から、上体だけの力で弓を引き絞り、放つ!)
カッ!!(正面の砲弾を射抜き、起爆。残った砲弾の作る衝撃波が頬を掠めるのを感じながら、飛び出した当初の勢いのまま不知火はレ級に迫る!)
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