(バシャン!ザン!ザァッ!)

レ級は海面に錐揉みしながら着水!

レ級(離れるのはマズい!)

不知火から離れてしまえば周囲の健在な艦からの一斉射撃に晒される!故に!

(ドッパァ!)

尻尾を再度海面に叩き付け縦回転しながら不知火に向かって飛翔する!

レ級「うおらぁぁぁ!」

咆哮とともにレ級は回転の勢いのまま尻尾を不知火に叩き付けようとする!が!

不知火「不知火には丸見えよ?」

不知火はそれを体を逸らす事で回避!返す刀で空中にいるレ級の喉を狙う!

(ヒュオン!)

レ級「くっ!おおおおおおッ!」

レ級は体を強引に捻り辛うじて回避する!

レ級「ぜっ…はぁっ…ぜっ…!」

ここに来てレ級は自らの体の変調を自覚する…最初の航空戦…不知火たち護衛艦隊の雷撃…赤城たち本隊の飽和攻撃………それらは確実にレ級の体にダメージとして蓄積されていた

レ級(けどそれは…不知火ちゃんも同じ…)

レ級は不知火を見る…その体はレ級と同じくらい…あるいはそれ以上にボロボロであった…それも当然…レ級の攻撃を何度となく受け自らの限界を超える機動をやってのけてきたのである

レ級(このままやり合えばボクが燃料切れを起こすかまたは不知火ちゃんが自滅するか…いずれにしても締まらない結果になるな)

レ級は薄く笑うと不知火に―――尊敬すべき強敵に語り掛ける

レ級「不知火ちゃん…正直なところボクはキミがここまで強くなるなんて想像もしていなかった…あの時はボクに手も足も出ないただの駆逐艦だと思ってたのに」

レ級は何処か寂しげに…そして誇らしげに語る

レ級「だから…これはそんなキミに敬意を表しての…最後の勝負だ」

そう言うとレ級は両手を海面に付け―――突撃態勢を取る

レ級「今からボクはキミに突撃攻撃を敢行する…ボクの内燃機関を最大限稼動させての文字通りの突撃だ…ボクはこの攻撃なら例え無傷の同型だろうと沈める自信がある」

不知火「何故…そんなことを不知火に?」

不知火は目の前の敵に問い掛ける

レ級「解ってるくせにそんなこと聞くなよ…これがボクが絞り出せる最後の一撃だからだよ…ただの突撃…避けるのも迎撃するのもキミの自由だ…」

言い終わると同時にレ級の体から更に紅い障気が吹き上がる!

レ級「さァ…決着の時間ダ…ッ!」

不知火「―――良いでしょう…さぁ!来なさい!」

レ級を中心に波紋が広がり紅い障気は更に濃さを増しレ級を覆い尽くす!そして!

(―――ドッ!)

黒い砲弾が不知火に向けて解き放たれた!



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