目を開けて最初に飛び込んできたのは星空だった…雲一つない綺麗な星空

レ級「………………あれ?」

そんな風景を目にしたことを不思議に思い…そしてそんなことを考えていられることに思い至った

不知火「ようやくお目覚めですか…存外寝坊助ですね」

そんなレ級の耳に呆れたような声が飛び込んでくる…

レ級「不知火…ちゃん?…あれ?どっちも沈んでない?」

不知火「当たり前です…というかいい加減思い出しなさい」

呆れ顔の不知火に言われレ級は渋々記憶を辿る

レ級(えっと…確か不知火ちゃんと戦ってて…んであのままだと締まらない決着になりそうだったから決着を急いで突撃して………あ)

不知火「思い出せました?」

レ級「………そっか…不知火ちゃんの拳で迎撃されたのか…」

見ると不知火の右腕がダランと下がっている…どうやらレ級の突撃はあの拳で打ち止められたようだった

レ級「無茶するねぇ…いやボクも人のことは言えないけどさ」

愉快げにくつくつと笑いながらレ級は自己診断する

レ級(機銃残弾0…砲撃機能回復の兆候なし…艦載機…数機奇跡的に残ってるけど弾薬なし…燃料空っぽ…)

レ級「―――うん、ボクの負けだね…指の一本も動きゃしない…」


むしろ何故沈んでいないのかが不思議になるくらいの満身創痍っぷり…レ級は大の字で海面にプカプカ浮かんでいる状態である

レ級「あ~あ、こんな無様な姿…アイツが見たら呆れるかな…」

不知火「アイツ?誰のことですか?」

不知火は思わず聞き返す

レ級「あん?誰でもないよ…それにボクが誰かのことを考えるわけないだろ?ほら、ボクってば化物なんだからさ?」

レ級はとぼけたような笑顔で不知火を茶化した

レ級「さてと…見ての通りボクは空っぽ…もう何も出やしない…後の裁量はキミに―――勝者に委ねるよ」

それは即ち自分を沈めるか否かの判断を委ねる物だった…先ほどまで殺し合いをしていた相手に己の生殺与奪を任せると

レ級「キミが決めてよ…キミの下した決断なら文句なんて言わないさ」

さっきまでの凶悪さは何処へやら…レ級は穏やかに不知火の言葉を待った



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