霞「しっかし…ホント歩きにくいわね…」
陽炎「仕方ないじゃない。普段山になんて来ないし、ましてや艤装付けて道なき道を歩くなんて誰が予想できるのよ」
島風「もー、みんなおっそーい!」
満潮「アンタが早すぎるのよ!もうちょっと周りに合わせなさい!」
朝潮「まあまあ…」
霰「でも…気をつけないと……」
島風「へへーん!私に限ってそんなことないもん!」
雪風「ふぅ…慣れない場所だからでしょうか…少し、疲れちゃいました」
不知火「そうですね。結構歩きましたし、五分程度の小休止をしましょう」
~小休止中~
陽炎「……静かね。こうしてみると、戦争中だとは思えないわ」
朝潮「そうね。いつも海の上で見てるけど、こうして木々の合間から見る夜空も綺麗…あっ、流れ星!」
島風「えっどこどこ!?」
彼女らが小休止を取っている間、一キロほど離れた地点の木の上に一人の狩人が立っていた。その狩人は月光もさえぎるような鬱蒼とした森の中で、彼女らを観察していた。
アタ「艦娘が山に乗り込むとは。船頭多くして船山に上るとはいうが…」
アタ「…まあいい、山岳・森林地帯は私の庭だ。その体、遠慮なく撃ち抜かせてもらう」
~その頃~
不知火「そろそろ五分経ちますね。出発しましょう」
島風「早く出発ー!」
霞「分かってるってば!まったく…」
天津風「ほら、舞風」
舞風「ありがとう、天津風!」
先に立ち上がった天津風が舞風に手を差し出した、瞬間。
ドスッ!!一本の矢が天津風の手を撃ち抜いた。
天津風「ッ――――――!!!」
舞風「天津風!」
痛みと驚きで声にならない悲鳴を上げる天津風。
この声で何が起きたのかを察した面々は跳ねるように立ち上がった!
陽炎「立って!私たちはもう狙われているのよ!」
朝潮「あちらへ!ここよりも木が密集して生えているわ、狙いにくいはずよ!」
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