金剛型姉妹が落下してしまったのち、川内型姉妹と鳳翔は海からの風に流されて南下、冬木教会の北東部にあたる地点に着陸した。
鳳翔「ここは、どこでしょう……」
神通「さっき教会の屋根が見えましたし、おそらくはその近くではないでしょうか?」
川内「なんにせよ早く合流しないと!」
???「残念ながらそれはできません」
那珂「誰!?」
青「私はセイバーという者です。此度は剣士のクラスにて参戦しています」
鳳翔(さっきの相手とはまた違う…。この相手も相当な強さを持っているわ)
神通「貴女が私たちを通さないというのなら、私達は押し通るまでです!」
青「当然です、そう来なくては」
青「――――――死力を尽くしてくるがいい。お前たちの挑戦に応じよう!」
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カルナの顔に戦艦の主砲が着弾し、彼女らは意識を奪う程度はできると考えた。だが―――
最上「うあぁっ!」
三隈「きゃあっ!」
扶桑「ああっ!」
山城「きゃっ!」
噴出する膨大な魔力によって弾き飛ばされた。ランサーの魔力は放出される際に炎に変換される。そのため、彼女らは膨大な熱にその柔肌をさらすこととなった。
彼女らはいくつかの誤算があった。一つはキャスターの宝具『水天日光天照野静石』によってどのような傷でも即座に回復可能であるということ。二つ目は『
日輪よ、具足となれ』の効果により威力が大幅に殺がれてしまっていたこと。そして、三つ目の誤算は彼の英雄は例え致命傷を受けても自らの強靭な意志で封じることができるということ。
そう。例え戦艦の主砲弾を顔面に受けようとも、彼の英雄を止めることはできないのだ。
扶桑「あ…あ……」
最後のチャンスすらも潰された。生き残った主砲も先ほどの炎にやられてしまった。
最上と三隈の一部の装備、及び機銃などはまだ生きている。が、至近距離での戦艦の攻撃が通じない以上、それ以下の装備では戦えない。
四人は、ついに手詰まりとなってしまったのである。
カ「……くだらない宿業だ。命を掛けるほどの物か」
最上「何を―――」
カ「扶桑、と言ったな。お前はなぜ戦っている?」
扶桑「それは、」
仲間を助けるため、と言いかけて口を噤む。扶桑は彼の全てを見通すような眼差しを見て気が付いたのだ。彼の偉大なる英雄が聞きたいのはそのようなことではないのだと。
そして再び口をあける。彼の問いに胸を張って答えるために。
扶桑「それは――――――」
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冬木大橋に向かって駆け抜ける第二部隊彼女らが見たものは―――大量の剣で串刺しにされてもなお抵抗を続ける武蔵とその随伴艦たちだった。
赤城「武蔵さん!」
武蔵「すまん!クソ、私達は固定概念にとらわれ過ぎていた!」
赤城「どういうことですか?」
武蔵「奴はアーチャー、弓兵だ。だからてっきり
一度に撃てる矢の数は一発だと勘違いしていた!だが奴は違う、一度に二十発、時には三十発も撃ってくる!」
赤城「なんですって!?」
その言葉を証明するかのように再び魔弾が飛んでくる。その数、十五発。
赤城「加賀さん!」
加賀「皆さん、回避行動を。蒼龍、艦載機は?」
蒼龍「もう飛ばしています!ほかの子の艦載機も一緒に」
加賀「分かったわ。後は回避行動に集中して」
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