不知火「っ!天津風、走れる!?」

天津風「当然よ!」

森林地帯を走りながら必死に索敵を行う駆逐艦娘たち。木々や電線が邪魔をして電探は上手く扱えなかったが、妖精たちが必死にチューニングを行うことで、なんとか周囲数百メートルの索敵は可能となっていた。

不知火「では駆逐隊ごとに散開!黒潮と舞風は二人で!島風は…」

島風「私は一人でいいって!」

不知火「しかし…」

天津風の受けた矢の形状に不知火は見覚えがあった。今自分たちを狙撃しているのは『最速の狩人』アタランテその人。群れから離れて一匹になった獲物を狙うのが『狩り』の鉄則…故に単独行動は避けたい。だが…

島風「私が狙われるって?望むところよ!だって速いもん!!」

…逆に、特定の艦娘を一人にすることで相手の的を絞らせる。一理あると言えた。そしてその役に適するのは、『最速の艦娘』島風を於いて他にない。

不知火「分かりました。どうか無事で」

島風「任せなさいって!」

連装砲ちゃん「きゅ!きゅ!」

天津風「ええ、アンタたちの主人、しっかり守ってよ!」

連装砲ちゃん「きゅ!」

不知火「では散開!!連絡は絶やさずに!」

なんとしても犠牲を出さずに青葉を見つけなければ。祈りを込めて不知火は号令を発した。


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