湖「■■■■■■■■■■■ーーー!」
長門「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
弾き飛ばされたバーサーカーは即座に受け身を取り着地、手元にあった木の棒を宝具化し殴りかかる。長門も軍刀を抜き放ち応戦するが、もとより身体能力及び近接武器の練度ではバーサーカーに及ぶはずもない。
長門「ぬ、ぐぅ……」
陸奥「させないわ!全砲門斉射!!」
湖「■■■■■■■■■■■ーーー!」
瞬く間に追い詰められていく長門。そこに陸奥が助け舟を出すが、バーサーカーは砲弾をすべて叩き落してしまった。そして長門はバーサーカーの注意がそれた一瞬の隙をついて距離を取る。
長門「っく、助かった!」
陸奥「そう、なら手伝って!」
戦艦二隻のあらゆる砲と機銃が吠え猛り、狂える騎士を襲う。バーサーカーはあえて避けることなく、直撃弾だけ防ぎつつ前進する。二人は接近された分だけ後退し、一種の膠着上に陥っていた。
が、その膠着状態が破れる時が来た。
陸奥「なっ!?」
出来る限りの速度で連射したのが悪かったのか、主砲の一つが故障、弾詰まりを起こしてしまったのである。そして、バーサーカーはそれを見逃すほど甘くはなかった。
湖「■■■■■■■■■■■ーーー!」
長門「陸奥ぅ!」
バーサーカーは陸奥の装備を自らのものとするべく一気に接近し、陸奥の装備の上に乗ったのである。瞬く間に黒い霧と血管のような魔力が陸奥の艤装に侵食していった。
が――――――
陸奥「掛かったわね!喰らいなさい、サーヴァント!」
そう陸奥が吠えた、瞬間。
ズドォン!ズドォォォォン!!弾薬庫が爆発、さらに宝具化されていた弾薬に誘爆し大爆発を起こしたのである。
弾薬を爆発させ自分諸共バーサーカーを吹き飛ばす。これこそが陸奥の考えた秘策だったのだ。
長門「な、陸奥、陸奥!返事をしてくれ!」
爆炎が薄まり、影が見える。立っていたのは一人、バーサーカーだけだった。尤も、バーサーカーとてただでは済んでいない。装甲は焼け、内部から血が流れている。
そう、陸奥は自分と引き換えにしてついに無敵とも思える英霊に血を流させたのだ。だが、それは長くは続かない。魔術師の治癒魔術によりすぐに傷は癒えてしまう。
半面陸奥は大きな傷を負い、意識を失っている。艤装もボロボロでもう使い物にならない様だった。
長門「陸奥、なんて真似を…」
湖「■■■■■■■■■■■ーーー!」
だが、感傷に浸る間は無い。バーサーカーは陸奥の砲塔をへし折って武器に変え、再び襲いかかってきたのだ。
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