神通「アーサー・ペンドラゴン…!」
青「これは驚きですね。これだけの打ち合いで私の真名にたどり着く人がいるとは」
ガキィン!
川内「ぐっ!」
剣戟で川内を弾き飛ばしながら、彼の騎士王は言う。
青「私はブリテン王アルトリア・ペンドラゴン。貴女方が言うアーサー王です」
神通「やっぱり!ならあの剣は……!」
青「ええ。貴女の予想通りのものがあります。―――では続きを。夜は長い、存分に死合いましょう」
川内「そうだね!夜は長いし、夜戦はこれからだ!」
不可視の剣と苦無が切り結ぶ。さらに斬りかかろうとしたセイバーは躊躇なく後ろに跳び、その直後にセイバーが立っていた場所が爆発した。爆発したものはあらかじめ仕掛けておいた魚雷である。
さらにセイバーの周囲が爆発、爆発に気が向いているその隙に川内は爆発に紛れて奇襲しようとした。が――――――
青「甘い!」
川内(気づかれた!?)
青「発想はいいでしょう。だが悲しいかな、場数がまるで足りていない!そんな見え見えの奇襲など通るものか!」
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初霜「はぁ、はぁ、はぁっ!」
「■■■■■■■■■■■ーーー!」
逃げる少女と、それを追う巨人。少女は必死で逃げるも足の速さはどうにもならず、不幸にも追いつかれそうになっていた。
少女を一撃で粉砕すべく、巨大な斧剣が振り上げられる。
初霜「――――――!」
少女のの顔を冷や汗が伝う。今まさに追いつかれようとした、その時。
大和「今です!初霜、跳びなさい!」
初霜「やぁぁっ!」
少女を追ってきた巨人を迎えたものは、三十を超える砲口。そのことに巨人が気が付いた時にはすでに遅く、三十を超える砲口から無数の砲弾が放たれた。
加古「撃て撃てっ!撃ちまくれ!」
大和「遠慮はいりません!残弾も気にせず、ここですべて使い果たしても構いません!」
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初春「く…なんという……」
若葉「たった一人の敵と戦っていたはずなのに、この戦闘痕は…嵐とでも戦ったのか……?」
この二人の仕事は他の仲間が黒い巨人を引き付けている間に仲間を回収、柳洞寺まで運ぶことだった。その為、最後に反応が消失した地点に来ていた。が、そこで見たものは、木々が薙ぎ倒され、岩が粉砕され、地面には大穴があいている光景。
まるで人ではないナニカ、嵐でも通り過ぎた後のような惨状だった。
高雄型の艦娘達は艤装は粉砕されて血塗れで倒れており、まるで生きているのが不思議な状態だった。
若葉「高雄さん!愛宕さん!しっかり!」
初春「鳥海、摩耶!しっかりするんじゃ、何とかして柳洞寺まで運ぶから意識をしっかり保つんじゃぞ!」
高雄「つ…伝え……なきゃ………アレは…あの怪物には…………」
初春「ゆっくりでいい、しっかり聞いておるからの!」
高雄「魚雷も…砲も……何も効かない………私達では……傷一つ…………つけられなかった………!」
高雄「まるで…何かに……守られているように……だから…………早く…この情報を…………」
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待ち伏せしていた艦娘は砲が赤熱化するまで連射を続けていたが、ついに弾詰まりを起こし始めたため砲撃を中止した。辺りは土煙が舞、黒い巨人がどうなったのかはわからない。
大和「砲撃は中止、土煙が晴れるまで待ってください」
“ここまでやればさすがに倒れるだろう”彼女らはそう考えた。少なくとも無傷はあり得ない、たとえ生き残っても重傷を負っているだろう。そう思っていた。だからこそ、反応が遅れてしまった。
「■■■■■■■■■■■ーーー!」
巨人が“無傷のまま”土煙から飛び出る。あまり驚愕で動けない大和に向かって、巨人は巨大な斧剣を振り下ろした。
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