ラ「アッハハハハハハハ!やってくれたなァ、明石!」
再び霊体化し、姿を消す。尤も、行き先はすぐに予想できるのだが。
伊勢「くっ、また姿が消えた!明石、警戒して!」
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明石(ここは……旗艦!旗艦にたどり着いた!中枢たる此処にうまく細工ができれば―――)
作業に没頭するあまり伊勢の無線を聞き逃してしまう。それが、自分への警告とも気づかずに。
ザクッ
明石「ぐっ!?」
背中に鋭い痛みを感じ、思わず振り向くとカトラスを構えた女海賊が一人立っていた。
ラ「よう、人の船に詰まんねェ小細工してたのはお前だな?」
言葉の端々に含まれる怒気。どうやら自分の船に細工をされたことがよほど気に入らなかったらしい。
明石(しまった…くそ、私はなんてミスを……だけど、まだ倒れるわけにはいかない!)
ラ「海賊船の無賃乗船は高くつくぜ?その詰み、アンタの命で贖ってもらおうか!」
明石「私だって、そう簡単に負けるわけにはいきません。大体アナタの船はもうまともに動かないわ、アナタの艦隊は封じられたのよ!」
ラ「おいおい、この程度で封じられるほどアタシの艦隊は甘くないぜ?」
明石「な―――」
思わず外を見ると、てんでんばらばらの動きをしていたはずの艦隊が再び統率を取り戻している。
ラ「ま、多少手間取ったのは事実だがな。アタシの船員はそこまで無能でもないのさ」
ラ「そして二度目が通じるほどアタシは甘くもない。さあどうする、明石?」
明石(私じゃ正面からは戦えない!一度脱出を――――――くっ!?)
ダダダン!
ラ「おっと、逃がさねえぞ?」
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伊勢「撃て!撃ちまくりなさい!」
日向「釣瓶打ちだ、残弾は気にするな!」
艦隊からの砲撃の嵐を掻い潜りながら明石の支援を続ける。
大淀(くっ、砲撃が激しい……あれは?)
大淀の眼には金と銀の光が映った。その光はある方向へ向かっていく。
大淀「あの光、あの方向……まさか!」
大淀「提督!そちらに二騎のサーヴァントが向かっています!おそらくは
ペガサスのライダーと
黄金のランサーと思われます、警戒してください!」
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