固有結界『
無限の剣製』が解除され、艦娘たちとアーチャーは現実世界……冬木大橋の上に舞い戻った。
叢雲「…どういうつもり?」
肩で息をしながら、叢雲は問いかける。アーチャーの腹部に命中した砲撃は敷波が放ったものだが、それが致命的な一撃であるとは叢雲にも思えなかった。
紅茶「なに、あの中にいては魔力供給が不十分なのでな」
会話の間に、アーチャーの傷口は呆気なく治癒された。
叢雲「ち……」
紅茶「それと、お前たちを解放する気もない。私の目的はお前たちの大半を動けなくした時点でほぼ達成されたようなものだからな。後はここで生き残った者を相手するだけだ」
余裕の表情のアーチャーであるが、叢雲の反応はアーチャーが予想したものとは少しばかり異なっていた。
叢雲「それはどうかしらね?艦娘はアンタが思っているほど甘くはないわよ?」
叢雲が槍を構えると、傷ついて座りこんでいた暁型の4人も立ち上がる。
紅茶「ふ…」
何故か含み笑いを漏らすアーチャーに気づいてか気づかずか、5人は何度もそうしたように再び跳びかかった。
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弥生「うっ…全然効いてない…」
卯月「うーちゃんの砲撃が全部躱されるなんて…!」
圧倒的な力の差に衝撃を受ける艦娘たちに対して、提督は呼びかけた。
「よく頑張った、水上艦は下がれ!敵の攻撃できない潜水艦で消耗戦を挑む!」メ「あら…少し勘違いをしているようですね」
「何…?」カ「サーヴァントが水中で戦えないなどと、決まってはいないということだ」
ザブン!
言うが早いか、黄金のランサーが水中にその身を躍らせる。そもそもサーヴァントは呼吸を必要としない。加えてカルナのスキル『魔力放出』は、水中においても陸上と変わらぬ縦横無尽の移動を可能にする。
伊58「ばかっ!こっちくんなでちっ!」
伊58が苦し紛れに放った魚雷はあっさりと躱される。槍の柄の部分を横薙ぎに叩き込まれた伊58は、水面高く打ち上げられて提督の乗るクルーザーの甲板に落下した。
伊58「うげぇっ!」
メ「さあ…どうしますか?」
眼帯の奥の眼に見据えられ、提督はしかたない、というように号令を発した。
「…増援作戦は失敗だ。撤退する!」クルーザーが素早く反転し、水雷戦隊がその後に続く。水中では、カルナを取り囲んでいた潜水艦娘たちが四方の海の闇に消えていった。
カ「作戦完了だ、マスター」
メ「随分と呆気なかったですね…」
浮上したカルナを横目で見ながら、天馬の上のライダーが呟いた。
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