狙い澄ましたかのように降り注いだ弾丸。しかしそれは、標的に食らいつくことは無かった。何か魔術を使ったわけではない。単に弾丸を視認してから回避しただけのこと。

アタ「今のは…技術か幸運か」
アタ「まあどちらでも構わん。―――そろそろ決めるぞ」

天津風「また消えた!?雪風、気を付けて!」
雪風「はい!そちらも気を付けて!」
天津風(背後?空中?どこに来る!?)

再びアーチャーの姿が掻き消えた。天津風は霊体化したと判断したが、実際には違う。単に全力疾走して距離を取っただけである。

アタ「……」

弓を引き気配を消す。放たれた矢は―――狙い過たず両膝を狙い打ち、続く二矢は両肘を貫いた。

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天津風「ぐ、ああああっ!!」
雪風「天津風ちゃんっ!」

狙撃され、苦悶の悲鳴を上げて倒れた天津風に雪風の意識が向いた。向いてしまった。
―――彼女ら艦娘は如何なるときにも仲間を忘れず、可能ならば助けようとする。特に雪風はその傾向が強い。それが仇になった。

天津風「雪風、後ろ!」

雪風は背後に忍び寄るアーチャーに気が付かず、天津風の警告は間に合わず。
アーチャーは間発入れず雪風に組み付き、万力の如き力で締め上げた。

雪風「あま、つかぜ……」
天津風「雪風を放して!」

天津風は雪風を助けようとするも、今の状態では普段使っている砲を持ち上げることもできず。
全身を極められ、意識が落ちていく中雪風は助けを求めるように天津風に手を伸ばし、天津風も応じるように手を伸ばした。だが――――――


――――――伸ばした手は、届かなかった


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