神通「…はっ!?」
『炎の嵐』の余波を受けて気を失っていたらしい。神通は疾走する那珂の背に負われて目を覚ました。傍らには並走する鳳翔の姿もある。
神通「姉さん……姉さんは!?」
那珂「川内ちゃんは……」
神通「くっ……」
歯噛みする。理解はしていた。助けに戻ることは出来ない。そんなことをしても、犠牲者が1人増えるだけ。川内の奮闘を無駄にしないためにも、ここで倒れるわけには行かなかった。
鳳翔「アーサー王は追っては来ていないようです。このまま川を遡上し、敵本拠地に先行している不知火さんたちの手助けをする…いいですね?」
神通「ええ…」
そう、戦いはまだ半ば。青葉生還の可能性を少しでも高めるために、その戦力は使われるべきなのだ。
神通「姉さん…!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
吹雪「ハッ!!」
ランサー=エリザベート・バートリーの横薙ぎに振るった槍を、吹雪は相手ごと飛び越えて躱す。
エ「すばしっこい子ネズミ……ねっ!!」
吹雪「ぐっ!?」
しかし、空中で身動きの取れない瞬間を突かれ、石突きで空高く打ち上げられてしまう。
吹雪「深雪、白雪!」
深雪「おうさ!」
ドドドドドッ!!
飛ばされながら呼びかけた吹雪に応え、白雪と深雪が主砲と機銃を間断なく撃ちこんで弾幕を作る。
千歳「下がって!」
その間に体勢を整えた千歳・千代田が爆撃機を発艦させる。弾幕は爆撃を縦糸、砲撃を横糸とした網目をなしてランサーを取り囲む。
エ「なかなかやるじゃない?けど、お愉しみはこれからよ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
満潮「うっ……また消えた!」
森の中でアサシン=ジャック・ザ・リッパーと遭遇した朝潮・荒潮・大潮・満潮の4人は、気配を消して攻撃を仕掛けるアサシンに対抗すべく、背中を合わせて方陣を組んで周囲を警戒していた。
満潮「大潮……そっちは?」
真後ろに位置する大潮に呼びかける……が、返事がない。
満潮「大し……」
肩越しに目だけで振り向いた満潮。右手の朝潮の向こう側に、特徴的な帽子…ではなく。
ア「あはははははははっ!!」
満潮「!?」
大潮のいるべき位置にいたのは、両手にナイフを握った童女、アサシンその人。誂われ、顔を真っ赤にした満潮の蹴りを容易くいなすと、再び闇の中へと掻き消える。
荒潮「大潮、しっかり!」
3メートルほど前方で後頭部を押さえてうずくまっていた大潮を半ば無理やり立たせると、4人は再び方陣を作る。
満潮「アイツ……今度こそ絶対ぶん殴ってやる!」
→