ガッ!!

もう何度目になるだろうか。

真の宝具、『無毀なる湖光アロンダイト』を手にした漆黒のバーサーカーは、それまでに倍する速度と膂力を以って長門に襲いかかった。その剣に秘められた熱量を見て取った長門は、なんとしても斬撃だけは受けぬよう立ち回った。しかし、斬撃を躱すたびに、今のように拳や蹴りによる打撃を受け、そのダメージは長門の体に着々と蓄積していった。

長門「まだだ…私は…沈まない!!」

ゴッ!!

騎士の左拳が脳天を強く打ち付けるが、長門は膝をつかず踏みとどまる。その体には、既に何回死んでいてもおかしくない程の打撃を受けている。しかし、長門は耐える。ここでこの狂戦士を仲間の元へ遣る訳にはいかない。なんとしても、自分が抑えなければならない。

長門「長門、沈マズ…!!」

その気力だけが、長門を支えていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

初春「あきつ丸っ!」

大和らと別働隊となり、負傷者の回収にあたっていた初春らは、ジークフリートと交戦して倒れたあきつ丸らを発見した。駆け寄る初春に、漸く息を吹き返したあきつ丸が警告する。

あきつ丸「は…初春どの……ここは危ない…逃げる、であります…!」
初春「危ない…?」

ズドン!!

初春の立っていた位置に、黒い影が落下する。寸前で察知した初春は、側転を繰り返し、たっぷり10歩分の間合いをとって黒い影に向き合った。

初春「ジークフリート…!」
ジーク「無闇に隊を分けるべきではなかったな。お前たちは此処で剣の錆となるのだ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「■■■■■■■■■■■ーーーッ!!」

ボッ!!

妙高の飛び退った後の地面に、“巨人”の操る斧剣が大穴を穿つ。大和を旗艦とする部隊は、扶桑らの瑞雲による懸命の工作も空しく、再び巨人のバーサーカーに追い詰められていた。が、巨人の攻撃が彼女らを捉える機会は明らかに減っていた。何故なら……

「■■■■■■■■ーーーッ!!」
衣笠「そこっ!!」

ドッ!!

「!?」
那智「むっ!」

巨人が那智に向けて斧剣を振りかぶったのを確認して、衣笠が巨人の足元の地面を砲撃する。バランスを崩した巨人は強引に攻撃を続行するものの、乱れた攻撃は艦娘でも回避できる程度の精度しかない。瑞雲が大和を救ったときの経験から、彼女らは単調になりがちなバーサーカーの攻撃に対して効果的な対抗手段を編み出しつつあった。

「!!」

大和「跳躍したわ!衝撃に備えて!!」

業を煮やした巨人が、その巨体に見合わぬ跳躍力で何メートルも飛び上がる。

ズドオン!!!

衝撃が大地を震わせるが、艦娘たちも必死に堪える。無論、着地点を大和が砲撃し、そこから攻撃に転じることを許さない。

大和「まだです!不知火さんたちが青葉さんを救い出すまで、倒れるわけにはいきません!!」


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