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長門「つまり、ここが攻められてもある程度は抗戦できるということか」
不知火「ある程度は、ですけどね。青葉さんによると向こうは10人以上いるらしいので、全員で来られたらどうしようもありません」
吹雪「……」
扶桑「……」
大淀「……」
…その時。
『ビィィィーーッ!!』
「「!」」
突如窓から飛び込んで来た拳大の物体。弾かれるように構えをとる艦娘たちの中央で空中に留まったそれは、色鮮やかな小鳥のような姿をしていた。艦娘たちが動く前に、小鳥はよく響く男の声で語り出した。
『やあ、提督殿と艦娘諸君。ご機嫌はいかがかな?こちらの気分は最悪だよ、どこかの誰かが裏切ってくれたおかげでね。
其方を信頼した此方が愚かだったというわけだ。―――では、本題に入ろう。
こちらとしては問答無用で鎮守府を壊滅させたかったんだが、青葉の嘆願によって条件を付けることになった。『期日までに青葉のいる場所に辿り着き奪還、鎮守府まで生還したならば全員の命を助け、再び不戦協定に応じる。期限内に生還できなければ鎮守府を攻め滅ぼす』これが条件だ。
異論も反論も質問も許可しない。―――賽は投げられたのだ』不知火「っ…!」
パリィ…ン
小鳥を捕らえようとする不知火の手が届く寸前で小鳥は砕け散り、宝石の破片のみが残された。
長門「チッ…勝手なことを…」
吹雪「でっ、でも!これで停戦をやり直せるチャンスができたとも…」
扶桑「そう簡単に信用して良いものかしら…向こうが約束を守る保証なんて…」
大淀「それはそうですが、かといって『彼ら』が嘘をつく理由があるとも思えません」
不知火「いずれにせよ、我々に取れる選択肢はあまりにも少ない。…司令」
数秒の沈黙の後、提督は頷く。
不知火「全艦娘に通達。これより我が司令部は魔術師陣営との全面対決に入ります。戦闘の準備を――」
不知火(アタランテ……貴女は何を考えているの……?)
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